| 現在の日産を支えているのはある意味でメキシコでの生産である |
ただしメキシコ市場での販売単価は高くなく、利益率も高くはないであろうと推測される
さて、先日「あと1年くらいしかもたない」と幹部が発言し波紋を投げかけた日産ですが、来年に入ってドナルド・トランプ大統領が誕生すればさらなる苦難が待ち受ける可能性があるもよう。
まず現在の状況を見てみると、日産の今年10月までのグローバル生産は7.1%減少しており、しかし奇妙なことにその販売はわずか0.1%ではあるものの上昇を見せています。
これは「大量に保有していた在庫を販売し現金に代えている」と捉えることも可能であり、ここだけ見ると悪くはない事実だと言えるかもしれません。
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しかし日産は主要市場で販売を失う
しかしながら地域別の動きを見てみると、アメリカでの生産は10.6%マイナス、日本が7.4%マイナス、日産が強く依存している中国市場では12.1%の減少を記録しています。
ただ、唯一生産が増加したのはメキシコで、こちらは9.8%の増加という結果に。
そして「(10月単月ですが)販売面」を見てみると、アメリカと中国ではそれぞれ15%の減少があり、イギリスではさらに深刻な22%の減少が見られ、その一方メキシコでは2023年10月と比較して12%の増加が見られます。
つまり、現在日産の生産と販売面において「好調」なのはメキシコということになりますが、つい最近なされた報道だと「ドナルド・トランプ次期大統領は就任後にカナダとメキシコに対して25%の関税を課す可能性がある」と述べており、これが実現すると「メキシコで生産、アメリカへと輸入」し販売することが非常に難しくなり、アメリカ市場での存在感を失ってしまう可能性も。
加えて、中国や英国では「中国車に押され」その販売が回復するとは思えず、日本市場においても魅力的な新型車が存在しないことからトヨタやホンダに対して競争力を発揮できない可能性が高そうです。
こういった状況を見ると、関税次第では日産の「破滅へのカウントダウン」が予想よりも早く進むこととなり、劇的な改善が見られなければさらに事態が悪化し、「最悪の時(つまり倒産)」を迎えてしまうのかもしれませんね。
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