本来は限られた用途に供されるクルマだったのに”売れすぎて”「一般性」が求められることに
スズキ・ジムニーのムーステスト(エルクテスト)を行った動画が公開に。
もちろんジムニーはハンドリングを云々するクルマではないものの、緊急回避については避けて通れる問題ではなく、そしてその結果はちょっと残念なものに。
時速68キロでのテストだとなんとかクリアできたものの、時速71キロ以上になると緊急回避を行うことは難しく、ハンドル操作に対してクルマが追いつかない様子も見られます。
スズキまさかここまでジムニーがヒットするとは想定していなかった?
なお、おそらくスズキはジムニーがここまでヒットするとは考えていなかったのだと思われ、それは生産計画を見ても想像できるところ。
推測の範囲内ではありますが、スズキは新型ジムニーについて「旧型からの買い替え+アルファ」程度の販売になると踏んでいたんじゃないかと考えています。
新型ジムニーは20年ぶりのモデルチェンジを迎えたことになるものの、その設計の多くは旧型から、もしくは現行のスズキ他車種からの流用となり、今回のモデルチェンジについては「熟成」という表現が当てはまりそう。
シャシーはラダーフレーム構造を継続し、4WDシステムも副変速機を備えたもので、変速機は5MTもしくは4AT。
つまり新型ジムニーはこれまで同様、オフローダーとしての基本を守り、「普段使い」や「燃費」のためにモノコックシャシーを採用したり、パートタイム4WDやCVTを採用しなかったということで、これはもちろん高く評価できるところ(”ジムニー”ブランドを活用した商売に走らなかった)。
旧来のジムニーファンや伝統を大事にしたモデルチェンジだと言えますが、逆に考えると「新しい層の獲得はさほど考えていなかった(それは他の車種で行うから)」のではないかとも考えられます。
ですが、フタを開けると「ジムニーにしかない」本格的な機能や装備が評価されて”これまでジムニーがターゲットとしていなかった”層がこぞってジムニーを購入するようになり、そこで懸念とされるのが「スズキが想定しているのと異なる使い方をされるケースが出てくる」。
つまりジムニーを普通の車だと認識し、普通のクルマと同じように乗った場合、想定外のことも起こりうるということで、しかしこれだけ話題性が高ければメディアも「普通のクルマ」と同じように扱うケースも出てきて、「本来想定していたのとは異なる評価」をされる場合も出てくるのかもしれません(”そういった”クルマじゃないのに”そういった”評価がなされる)。
そういった「想定とは異なる条件での評価」は必ずしもジムニーにとっていい結果になるとは限らず、場合によっては不利だったり不幸な結果になったりするかもしれない、と考えることがあります。
それでは動画を見てみよう
こちらがスズキ・ジムニーがムーステストを受ける動画、「Suzuki Jimny 2019 - Maniobra de esquiva (moose test) y eslalon」。
VIA:km77.com