| 欧州版C-HR”ユーロスペック”は車格がひとつ上がった感じ |
北米市場と欧州市場向けのトヨタC-HRが相次ぎマイナーチェンジ。
C-HRは国内市場で販売を大きく落としており、「RAV4に食われた」とも報道されていますが、実はRAV4登場前からその販売が落ち始めています。
C-HRは「打倒ヴェゼル」として登場しており、当初こそはその目的を全うしたものの、その後ヴェゼルに「逆転」されてしまい、RAV4にトドメを刺された、というのが正しい表現なのかもしれません。
参考までに、2018年通年だと、ホンダ・ヴェゼルの販売は前年比92.7%にとどまりますが、トヨタC-HRは前年比65.4%と大きく販売を落としており、すでに昨年の時点でC-HRの凋落がはじまっていた、とも考えられます。
その理由としては定かではなく、「単に数が増えて飽きられた」という説が有力。
ただしC-HR登場までは「売れまくって」いたヴェゼルも相当数が出回っているはずで、しかしヴェゼルの販売がさほど落ちず、現在ではC-HRを逆転。
よって単に「増えすぎた」というのは販売減少の理由にはならず、しかしC-HRの販売が落ちてきたのは「アクが強すぎた」からなのかもしれませんね。
たしかに「ヴェゼルに勝つ」インパクトを持たせるには強いアピール力を持つデザインが必要であり、C-HRのデザインは「必然」であったと考えられるものの、現在はそれが裏目に出た、とも言えそうです。
そんなトヨタC-HRですが、メインの北米市場では発売当初からヴェゼルに勝てないなど、日本とはちょっと違う様相も。
よって「値下げ」など、いくつかの対策を打っているという実情もあるようです。
北米仕様のトヨタC-HRはこう変わった
そしてまずはC-HRの北米向け2020年モデル。
変更内容としては外観と装備のみにとどまっているようで、フロントグリル、フロントバンパー、スポイラー、ホイールのデザインが変更されてヘッドライトがLEDに(ヘッドライト内部構造が変更されている)。
一方でリアにはほぼ変更がない、と報じられています。※北米トヨタC-HRの製品ページはこちら。まだ2020年モデルの変更は反映されていない
加えてボディカラーには「スーパーソニックレッド」「ホットラヴァ(オレンジ)が追加されることに。※オプションでシルバーのルーフが選択できる。日本仕様にはオレンジのボディカラー、シルバールーフの設定はない
インテリアだと(グレードにより)グレーのヘッドライナー、ブルーとブラック、ブラウンとブラックとのコンビカラーも選べるように。
そして機能面だとアンドロイドオート対応となり、北米特有の装備として衛星ラジオへの対応も。
細かいところでは、グレードによってシートバックポケット、8ウェイ電動シート、ウインドシールドバイザー・エクステンション、アダプティブヘッドライト等が追加された、と報じられています。
なお、北米向けとしては、理由は不明であるものの4WDモデルが導入されておらず、これが「販売が振るわない理由」だともされていますね。
ちなみにプリウスについても北米向けには長らく4WDが導入されず、少し前にようやく4WDがモデルが選択できるようになった、と報道されています。
欧州仕様のC-HRはこう変わった
そしてこちらは欧州仕様のマイナーチェンジ版C-HR。
北米仕様に比較して変更範囲が大きく、最大のトピックは「2リッターハイブリッドモデル」が追加されたこと。
これはシステム合計184PSを持つ「ハイブリッド・ダイナミックフォース」で、日本にもない選択肢(日本は1.8リッター+ハイブリッド)。
この2リッターハイブリッドモデルは足回りも一新され、ハンドリングと快適性とを両立し、ステアリングフィールの改善並びにNVH(ノイズ、バイブレーション、ハーシュネス)も大幅に削減されているようですね。
外観だとLEDヘッドライトが標準装備化され、フロントグリルの形状が変更されてフロントバンパーのリップがボディカラー同色に(これによって車体がワイドに見える)。※このあたりは北米版C-HRと同じ
リアだとテールランプが標準にてLED化されてリアスポイラーがグロスブラックに。
左右テールランプを連結するパーツも追加され、フロント同様「ワイド」感を演出しているようですね。※レクサスUXみたいな感じ
加えてリアバンパーアンダーにはクロームの装飾が追加されているようです。
なお、ヘッドライトとテールランプは内部構造が変更されてインナーも「ダーク」仕上げとなり、これによってずいぶん引き締まったイメージも。
さらにはホイールやドアミラーもブラックフィニッシュが採用され、大きく印象が変わったという印象があるうえ、高級感もぐっと増したように感じられますね。
ただ、この恰好良い「オレンジとブラック」のC-HRは「オレンジエディション」として設定される新グレードであり、これを選ぶことで画像のブラックアクセントやブラックルーフが「ついてくる」とのこと。
一方で内装には大きな変化はなく、トピックとしては北米モデル同様にアンドロイドオートに対応し、カーナビゲーションのマップが「オンラインで」更新できるようになったにとどまるようです。※欧州仕様のC-HR製品サイトはこちら
今回の変更を見るに、欧州と北米とでは変更内容に大きな差異があるようです。
北米では「不調」だからあまり手を加えていないのか、欧州では「好調」だからお金をかけてさらに販売を伸ばそうとしているのかどうかは不明ですが、今後日本仕様のC-HRがどうなるのか気になるところでもありますね。