| トヨタは意外と良いところに目をつけた |
トヨタが巨大なワンボックスカー、「グランエース」を発表。
最大の特徴は「グラン」エースだけにそのボディサイズで、なんと全長5.3メートル、幅は1.97メートル。
ちなみに「メルセデス・ベンツS560ロング」の全長は5.26メートル、全幅1.9メートルなので、これよりも「ずっと大きい」ということになりますね。
そして「グラン」なのはサイズだけではなく価格も同様で、アルファード/ヴェルファイアの3,438,600円~、もちろんハイエースワゴンの2,866,600円~を大幅に超える6,200,000円~という設定です。
トヨタ・グランエースはこんなクルマ
まず、トヨタはこのグランエースについては特徴を下記の通り述べています。
・圧倒的な大きさによる存在感と取り回しの良さを両立 ・ゲストをもてなす、上質でゆとりある室内空間 ・高い走行安定性と優れた静粛性が織りなす快適な乗り心地 ・スマートフォンと連携可能なディスプレイオーディオなど充実の先進装備 |
グランエースのグレードには「G(8人乗り、620万円)」と「Premium(6人乗り、650万円)」とがあり、エンジンは両者とも2.8リッター・ディーゼルターボ、トランスミッションは6Super ECT(AT)。
外観については両方とも共通となり、金属調加工がなされたフロントグリルにて強い押し出しを演出しています。
車体下部にはボディカラー同色のクラッディングと金属調クローム加工モールが採用され、重心の低さをアピールしているようですね。
なお、ヘッドライト、テールランプはフルLEDが採用され、「高級車にふさわしいルックス」をアピール。
サイドウインドウについては「段差なく」連続しており、これはハイエースワゴン同様ではありますが、「窓が広く」見えて高級感が感じられる部分ですね。
ホイールは17インチサイズの切削加工が採用されています。
グランエースは走りも上質
グランエースは走りを云々するクルマではなく、しかしトヨタはその「質」の向上に注力。
駆動方式はFRですが、ラダーフレームを採用することで「ねじれ」を低減し、これをアンダーボディと溶接することで剛性を確保し、高級車らしい乗り心地を確保した、とのこと。
サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアにはトレーリングアーム。
ジオメトリやストロークを最適化することで、やはり”上質な”乗り心地を目指しています。
なお、相当に大きな車ではあるものの、最小回転半径は「5.6メートル」。
グランエースの室内はこうなっている
グランエースは「より多くの人を、快適に運ぶ」ことを目的としていると思われ、その意図の通りまさに車内は快適空間。
室内長はなんと3,290ミリ、室内幅な1,735ミリ。
サイズだけでいえば「コンパクトカーすら積み込める」容量です。
「Premium」グレードだと2列目、3列目シートともに”エグゼクティブパワーシート”を採用し、ロングスライドに加えてパワーオットマン、格納式テーブル等を装備(”G”のサードシートはキャプテンシート形状)。
運転席についても高級感が追求され、エアコン吹出口には金属加工、ダッシュボードやステアリングホイール、ドアトリムなどには木目調を採用。
ルーフ内張りには明るく開放的な「フロマージュ(ベージュ)」が採用され、ブラックインナールーフは「オプション扱い」とのこと。
そのほか、スライドドアの開口幅は1,000ミリとして3列目シートへのアクセスを容易にしたほか、LEDイルミネーションも採用されています。
国内だと需要は限られる?
グランエースは上述の通りかなり大きなボディを持ちますが、トヨタにして「思い切ったクルマを発売してきたな」という印象。
現在はインバウンドやラグジュアリーなライフスタイルを好む層が増加したことにより、こういった「送迎用」、しかも上顧客を満足させられるクルマの需要が高まっていて、トヨタはそこに目をつけたと考えて良さそう。
実際のところ国産他メーカーでも同様のクルマは存在せず、輸入車においても競合は無いので、意外や売れるのかもしれません。
ただ、一般の駐車場に収まるサイズではないので、ユーザー層は自宅に大きな駐車場を持つ人や、法人に限られることになりそうです。
そのためか、トヨタの新型車発売時の恒例でもある「モデリスタ」「TRD」といったカスタムパーツもリリースされておらず、グランエースに用意されるオプションは「後席ディスプレイ」「DC/DVDデッキ」「フロアマット」「ドアバイザー」といった一般的なところにとどまるようですね。
VIA:TOYOTA