| トヨタはなんとしてもGRスープラを「失敗」させるわけにはゆかない |
トヨタは北米(アメリカ)市場向けのGRスープラに付き「6気筒ターボ(日本だとRZ)モデルのパワーアップ」を実施し340馬力から387馬力へと出力を向上。
さらには、これにあわせて限定モデル「A91エディション」と「4気筒モデルのスープラ」を発表しています。
トヨタは昨年にGRスープラを発表した際に「ローンチエディション」として1,500台の特別な仕様を持つGRスープラを発売していますが、今回の「A91エディション」はさらに特別な仕様が与えられることに。
ここでその内容を見てみましょう。
北米仕様のトヨタGRスープラが340馬力から387馬力へパワーアップ!ボディ補強、足回りも再調整されて戦闘力が向上。気になる日本仕様は?
GRスープラ「A91 エディション」はこんな装備を持っている
今回のA91エディションは1,000台のみの限定販売となり、エンジンは3リッター直6ターボ(B58)、出力は387馬力。
ボディカラーは「ノクターナル(ブラック)」と「リフレクション(ブルー)」の2つが用意され、リフレクションについては”専用色”とアナウンスされています。
なお、なぜ「A91」なのかはまったくの謎。※新型GRスープラは「A90」というコードネームで呼ばれていたものの、実際の形式は「A90」ではない
その他外観上の大きな特徴としては、コンセプトカー段階のスープラをモチーフにした大きなダックテールリヤスポイラー(カーボンファイバー製)そしてCピラー状のハッシュマーク。
このハッシュマークはなかなかにインパクトがあり、その割に簡単にできるカスタムなので、「ドアミラーとカラーをあわせたハッシュマーク」といったカスタムが流行るかもしれませんね(A91エディションのドアミラーはカーボンファイバー製)。
ホイールはサテンブラックを採用していて、これも通常のスープラには存在しないカラー(ローンチエディションにも採用されていた)。
ちなみにブレーキキャリパーのロゴは「TOYOTA Supra」へと変更されています。
スペックは2020年モデルのGRスープラ(3リッターモデル)と同じで、0-100km/h加速はパワーアップに伴い4.1秒から3.9秒へ。
もちろん出力向上に対応するため、パワーステアリングや足回りの再調整、タワーバー追加によるボディ剛性アップが図られています。
そしてこちらはリヤビュー。
やはり新色だけあって、そして通常モデルとは異なるカラーのホイールやリアスポイラーを持つことにより新鮮な印象を受けますね。
それにしてもこのリアスポイラーはなかなかにアグレッシブ。
GRスープラのカスタムというと「オーバーフェンダー+巨大ウイング」というものが多いように思われますが、このA91エディションのように「シンプルな」エアロパーツ装着というのもいいかもしれない、と感じさせてくれます。
GRスープラ「A91エディション」の内装はこうなっている
こちらはGRスープラA91エディションのインテリア。
内装の張り材はブラックのレザー&アルカンターラで、ステッチは「ブルー」。
もちろんこのA91エディション専用の装備となっています。
さらにはアルカンターラ製、そして「Supra」のロゴが入るキーケース付き。
インフォテイメントシステムのサイズはこれまでの6.5インチから8.8インチへとアップされることに。
トヨタは北米にも「4気筒モデル」を追加
今回トヨタは北米市場対しても4気筒モデルのGRスープラを追加。
この4気筒モデルは当初「日本だけ」の予定ではあったものの、後に欧州向けにも追加され、そして今回は北米市場向けとしても追加されることに。
この意図としては”読みかねる”部分もありますが、当初の「納車(生産)待ち」という状況から一転し、発表直後こそ大量の注文があったものの現在は「予想以下」の受注状況となっていて、工場の生産ラインに「余剰」があるのかもしれません。※2019年12月単月だと、北米市場でのGRスープラは514台の販売で、マスタングの5,091台とは大きく差がある
よってトヨタはこの余剰を埋めるために(より求めやすい価格の)4気筒モデルを追加投入し、販売を増加させようということなのだろうと考えています。
GRスープラの生産は自社工場ではなく、オーストリアのマグナ・シュタイヤーで製造しているため、あらじかじめ工場のラインを確保といった契約等があると思われ、自社工場とは異なって簡単に生産を縮小(拡大も)できないのでしょうね。
GRスープラは「GRブランドから発売する」第一号で、それに続くのがGRヤリス。
その後GRカローラ、GR C-HRと続くと言われますが、第一号、そしてもっとも強い訴求力を持つスープラのが販売面で成功しなければ今後のGRブランドの展開に暗雲が立ち込めることになり、世の中の動向に反して「スポーツカー」開発を進めてきた豊田章男社長の手腕が問われることにもなりそう。
よって、ここはなんとしても「スープラを盛り上げねばならない」というところなのだと思われます。
VIA:TOYOTA