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| 現在、手に入れやすい価格のスポーツカーが生き残る道は非常に少ない |
現代ではクルマの「味付け」の幅が広がり、同じコンポーネントを使用しても「違うクルマ」のように仕上げることが可能である
さて、現行GR86とBRZがトヨタとスバルとの共同にて開発された車両であることは周知のとおりですが、スバルは時期BRZを「ない」としているため、それに伴いGR86が消滅の危機にさらされているわけですね。※2024年、北米だとスバルBRZは3,345台しか売れていない
そして一方のトヨタといえば、現在「GR」ラインアップとしてGR86、GRヤリス、GRカローラ、GRスープラというラインアップを持ち、ここへ「GRセリカ」が加わる可能性が出ています。
この中だとGR86はもっとも安価な部類ではありますが、かつてトヨタはGR86を「練習機」、GRスープラを「戦闘機」と表現したことがあり、つまるところGR86は「GRブランドへの導入」として重要な役割を持っていて、これを失うことは(ファンのみならず)トヨタとしても避けたいのかも知れません。
マツダとトヨタが協業?
そこで今回「マツダとトヨタとが協業を行い、次世代ロードスターとGR86とが兄弟車になるのでは」という推測が海外メディア経由にて出ていますが、これは日本でも囁かれている「次期GRスープラと新型マツダRX-7とが兄弟車になる」というウワサにもよく似ています。
実際のところ、現在の世の中ではスポーツカー需要は「非常に」低く、しかしスポーツカーはその構造や強度上(高負荷のスポーツ走行に耐えねばならないので)専用設計となることがほとんどで、しかしその開発コストを吸収できるだけの販売台数を確保できないということが各自動車メーカーにとって最大の課題であるかと思います。
もちろん、スポーツカーのラインアップがトヨタの人々に対する印象を変え、GT-RやフェアレディZが日産のイメージを(かろうじて)失墜させるのをとどめているように、スポーツカーは「何らかの象徴」として機能するものの、しかしそれは「約束された効果」でもなく「明確に利益として換算できる」ものでもないため、経営陣としては不確実性の伴うスポーツカーの開発・販売にGOサインを出すことは難しいのかもしれません。
そして「マツダ・ロードスター」「GR86」に共通するのは「手に入れやすい価格帯のスポーツカー」ということで、しかし上述のようにスポーツカーは「専用」の車体を持つ必要があり、コンパクトカーや4ドアセダンと車体を共有して開発コストと販売価格を引き下げることは困難です。
しかしながら、マツダ・ロードスター、そしてGR86という世界的に「まだ売れている部類」のスポーツカーにとってはまだチャンスがあり、それが上述の「共同開発」。
両者とも日本だと「トップ50」ランキングに顔を出すことができる「たった2台の」スポーツカー(スポーティカー含む)で、この2台であれば共同開発という名目にてある程度販売台数を「見込む」ことができ、かつ宣伝効果も考えるならば、ビジネス的にも十分な利益を生み出す可能性が見えてきます。
これが実現すれば、GR86はさらに「軽量」になり、マツダ・ロードスターは「さらにパワフルに」なる可能性が考えられ、ボディ形状については「GR86がクーペ」「マツダ・ロードスターをオープン」とすれば両者の棲み分けも容易となるものと推測可能。
さらには「チューニングパーツ」がほぼ共通となるため、アフターパーツメーカーの参入が容易となるうえ、チューニング/カスタムが盛り上がりを見せることでそのクルマの人気を継続させ、オーナーを囲い込むことにも成功するんじゃないかとも考えていて、まさに「Win-Win」の関係だと言えるかもしれませんね。
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参照:Jalopnik