| 中国・紅旗はロールス・ロイスのデザイナーを獲得し「世界に誇れる最高級車」を作ろうとしている |
先代の紅旗L5には厳しい購入審査が存在したが
さて、現在上海モーターショーが絶賛開催中であり、現地から様々なレポートが届いていますが、今回は中国で最も高級なクルマを作る自動車メーカー「紅旗」によるフラッグシップモデル、新型L5を紹介する動画がYoutube上にて公開。
この紅旗(ホンチー / Hongqi)は中国国営である中国第一汽車集団有限公司(1953年設立)の所有する高級車ブランドで、1958年に毛沢東の命によって誕生したとされており、中国の上級公務員や政治家、共産党幹部の乗るクルマとして知られています。
この新型L5の価格は未発表ではあるものの(すでに受注は開始されている)、先代L5の価格が600万元(日本円で約1億2000万円)に設定され、中国で最も高価なクルマであったこと、そしてこのL5の立ち位置からするに、新型L5についてもまず「中国で一番高いクルマ」になると考えていいのかも。
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紅旗L5はこんなクルマ
一見して分かる通り、この紅旗L5は非常にレトロなルックスを持っていて、最新モデルといえども(2014年発表の)先代のクラシックなプロポーションを忠実に再現し、レトロな要素と現代的な要素、あるいはロールス・ロイスのテイストを融合させています(まだ辞任していなければ、紅旗のデザイナーはロールス・ロイスから移籍したジャイルズ・テイラー氏である)。
見ての通りフロントは「超」レトロ、そしてクロームが多用されるなどクラシックな雰囲気ムンムンではありますが、灯火類にはLEDが採用されるなど、最新の技術も採用されているようですね。
ただ、サイドから見るとロールス・ロイスっぽい印象が強くなり、フロントからリアに向かってやや下がるライン、立ち気味のCピラー、後方に向かって角度をつけて落ちてゆくリアエンドなどはロールス・ロイス・ファントムを強く連想させるところ。
トランクフードにはドラえもんのヒゲのような不思議な装飾が見えますが、これは中国の歴史的な建造物をモチーフとしたものかもしれません(紅旗のクルマは、その外装に中国の建造物を、そして内装には中国の景観をモチーフにしたデザインを行うことが多い。そのブランドの性質上、それがマストなのだと思う)。
紅旗L5のインテリアはこうなっている
そしてこちらは紅旗L5のインテリア。
かなり不思議な配色を持っていますが、これもやはり中国の名勝を再現したものだと思われます。
ドアには「紅旗」の文字。
シートには中国っぽい刺繍。
実際にデザイナーが中国を愛しているかどうかはわかりませんが、こういった表現をしないと「愛国心がない」となじられることなるのかもしれません。
シフトノブにはレッドのライン。
紅旗のクルマは、かつてのリムジンがそのノーズに立てていた赤い旗をイメージしたデザインを用いることが特徴となっていて、そのためにこのヨンドゥのような赤いラインが車体のあちこちに見られます。
参考までに、こちらは先代紅旗L5に備わっていた「旗」モチーフのオーナメント。
ステアリングホイールも「中国」っぽく・・・。
ダッシュボードにも中国らしさを表現。
ちなみにデザインイメージはこんな感じです。
こうやって見ると室内にもロールス・ロイスの影響が非常に濃いということがわかりますね(もちろん紅旗は、ロールス・ロイスっぽいクルマを作りたくてジャイルズ・テイラー氏を引き抜いたのだと思われる)。
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この紅旗L5のオーナーは後部座席に乗ることのほうが多いはずで、そのため後席空間はひろびろ。
なお、動画を見ると多数のユーチューバーと思しき人物があちこちに見られ、上海モーターショーをきっかけとして一躍有名になろうとする野心あふれる若者の姿が見られます。
中国の超高級車、紅旗L5を紹介する動画はこちら
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