| 一部の中国自動車メーカーは「模倣」を脱し、独自のデザインへと進化しつつある |
中国では「富裕層の間で」ミニバンが高い人気を誇っている
さて、中国の進行EVメーカー、理想汽車(Li Auto)がその最新モデルとなるミニバン「メが(MEGA)」の画像を公開。
中国ではミニバンの人気が非常に高く、それは初代レクサスLMが「ほぼ中国市場向け」として投入されることからもわかるかと思います。
ただ、日本のミニバン人気とやや異なるのは、中国でミニバンに注目するのは「主に富裕層」ということで、ビジネスに使用したり、はたまた愛人需要といった側面が大きい、とも報じられているようですね。
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Li Auto メガはこんなミニバン
そこでこのLi Autoメガを見てみると、まるで新幹線やユーロスターといった高速鉄道車両を連想させるスタイリングを持ち、すべての段差や突起を取り除いたかのようなスタイルを持っています。
このスタイルのまま発売されるのかどうかはわからないものの、ナンバープレートを取り付ける台座が存在するところを見るに、この車両は「市販モデル」だと考えてよく、こういったクルマを発売する思い切りの良さにも驚かされますね。
ちなみにですが、このLi Autoメガはプロトタイプが走行している状態を捉えられたことから(その特異なルックスが)話題となり、レンダリングアーティスト、Sugardesign氏が予想レンダリングを公開したことも。
ただ、ちょっと面白いのは、この予想レンダリングに対してLi AutoのCEOは「こんなデザインになるならば、デザインチームのメンバーをひとり残らず殺したあとに私は窓から身を投げる」と語ったこと。
いちデザイナーの作品にLi AutoのCEOともあろう人がここまでの反応を示すというのは異例中の異例だとも考えていますが、それだけこの(Sugardesign氏の)レンダリングが気に入らなかったのかもしれません(そして、そのデザインに強い思い入れを持っていたのであろう)。
ちなみにSugardesign氏は気を取り直したのか、今回公開されたメガの画像をもとに「警察バージョン」のレンダリングを作成し公開しています。
このLiAutoメガに戻ってメカニズム的なところに目を移すと、CALT製のバッテリーを搭載し(当然EVである)、22分の充電によって600キロ走行分のチャージが可能だといい、ルーフ上に備わるLiDARを見てもわかるとおり、高度な自律運転を備えます。
正式発表は12月、そして発売は2024年1月、納車は2月から、そして価格は50万元(現在の為替レートでは1000万円オーバー)に設定されており、なかなかの価格帯ということになりますね。
Li Autoは2023年9月の中国EV販売において新興メーカー中ではトップを走る
なお、Li Autoとは聞き慣れないメーカー名かもしれませんが、2023年9月の中国における新興メーカーのEV販売ではトップの座を獲得していて、前年比で217%増となる36,060台を販売しています。※BYDは以前からガソリン車を販売していたということもあり、「新興」メーカーには含まれない
参考までに2位だとLeap Motor(零跑汽車)の15,800台(43%増)、3位はNIO(蔚来汽車)の15,641台(44%増)、4位はXpeng(小鵬汽車)の15,310台(12%増)、5位はNETA(哪吒汽車)の13,211台(9%増)。
こうやって見るとLi Autoの販売台数、そして伸び率が突出していることがわかり、新興EVメーカーの間でも「格差」が拡大する傾向にあるのかもしれません。
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