| このリアウイングはコーナリング中に左右に角度を変更できる |
デンマーク生まれのスーパーカーというかハイパーカー、ゼンヴォ(ZENVO)TSR-Sがオンライン上にて公開。
このゼンヴォTSR-Sも本来はジュネーブ・モーターショーにて発表される予定だったそうですが、そのショー開催そのものが中止となったため、こうやってネット上でプレミアされることとなっています。
なお、十分な知名度を誇り、多数のSNSフォロワーを持つメジャーメーカーにとっては「もはやモーターショーはお金がかかるだけで出展の意味はない」ものとなっていますが、ゼンヴォのような小規模メーカー、そして「知らない人のほうが多い」メーカーにとってジュネーブショーはその存在を知らしめる格好の場。
よってゼンヴォにとってもジュネーブモーターショーが流れたのは残念極まりないといったところかもしれませんが、このTSR-Sはそんな不利な状況すらも跳ね飛ばしてしまうほどのインパクトを持っていて、ここで「いったいゼンヴォTSR-Sとはどんなクルマなのか」を見てみましょう。
ゼンヴォTSR-Sはこんなクルマ
このゼンヴォTSR-Sは、2年前に発表されたゼンヴォTSRの「サーキット走行専用モデル」。
ちなみにゼンヴォTSRシリーズは巨大なリアウイングがひとつのトレードマークですが、これは一番上の画像の通り、「左右に傾く」構造を持っていて、コーナリング中にウイングの角度を調整することで内輪の接地性を向上させるという”トンデモメカ”。※正式名称は「セントリペダル・リアウイング」というらしい
さらにこのゼンヴォTSR−Sは「ツインスーパーチャージャー」を持っているそうですが、これはぼくの知る限り「世界で唯一」。
スーパーチャージャーはターボとは異なり、インペラを回転させるパワーをエンジンから取るため、エンジンパワーを食ってしまうのがちょっとした難点。
よってこれを「ツイン」というのは定石からするとロスを増大させることに繋がりますが、ゼンヴォはあえてそれに挑戦した、ということに。
ちなみにエンジンは5.8リッターV8で、これにツインスーパーチャジャーを使用して加給を行うことで1177馬力を絞り出し、0−100km/h加速はわずか2.8秒、最高速度は325km/hという第一級のパフォーマンスを発揮します。
そしてゼンヴォTSR-Sのもうひとつの特徴はこの「カーボンホイール」。
これはゼンヴォの自社製となり、1セットあたり15キロの軽量化が可能になる、とのこと。
その製造の様子は動画にて公開されていますが、まさに「一本一本手作り」となっていて、ゼンヴォのような小規模メーカーにしかできないような製法となっています。
なお、カーボンホイールというとケーニグセグ、フォード、フェラーリがすでに実用化していますが、それぞれサプライヤーや製造方法が異なり、各メーカーならではの特徴があるようですね。
そして今回のTSR-Sにはホイール以外にもふんだんにカーボンファイバーが使用され、しかもその美しさは特筆モノ。
ボディサイドにはカーボンの織柄にて「ZENVO」。
フロントバンパーのインテークガイド、ヘッドライトベゼルもカーボン製。
エンジンベイ、クロスバー、エンジンカバーもカーボン製。
鍛造カーボン、そして通常の「織柄のある」カーボンファイバーとが使い分けられているようですね。
ゼンヴォTSR-Sのインテリアはこうなっている
そしてこちらがゼンヴォTSR-Sのインテリア。
サーキット専用モデルといえども豪華さを失うことはなく、カーボンファイバーそしてアルカンターラが多用されています。
レザー部分にはブルーのステッチ入り。
ステッチは「ヘキサゴン」、そしてレザー表面にはパーフォレイト(穴あき)加工が施されています。
こちらはゼンヴォTSR-Sのキー。
どこまでもエキゾチックなクルマですね。
なお、ゼンヴォTSR-Sの価格は邦貨換算にて1億8000万円、とのこと。
VIA: ZenvoAutomotive