先日、ジェラルド・ジェンタ系のデザインが好きだ、というエントリーをUPしましたが、今回はもうひとつのぼくの腕時計に対する嗜好について。
それは「ジウジアーロ」デザインの腕時計に惹かれる傾向にあるということです。
ジウジアーロ・デザインの腕時計については別ブログにて記載していますが、こちらでもちょっと触れてみたいと思います。
ジウジアーロ・デザインの腕時計はセイコーより発売されるものですが、これは時計の性能よりも「デザイン性」を押し出したもの。
登場した次期は「デザイナーブーム」のようなものがあり、「海外のデザイナーがデザインした製品が受ける」傾向にありました。
そのため、同じジウジアーロのデザインした自転車「ブルゾン」、ハンス・ムート(スズキ・カタナのデザイナー)のデザインしたシェーバー、シド・ミード(映画”ブレード・ランナー”のヴィジュアルデザイナー)のデザインしたなんとか、というものが多く登場した時代だったと記憶しています。
オリジナルの発売後もなんどかリニューアルを行い(プッシュボタンやカラーリング、ダイアルなど。ビームスとのコラボもあった)再販していますが、最新のものだと2014年11月に販売しています(上の画像)。
なお、今回もデザインを一新していますが、デザイン変更にあたり、直接ジウジアーロに確認をとっているそうです。
前回の再販分はすぐに完売したようですが、今回は余っているのか、まだ販売している店舗を多く見ますね。
ネットでの拾いものですが、当時はこういったものもあったようで、かなり幅広く展開していたようです。
今回再販された形状のほかは、今に至るまで再販されていないようですので、人気がなかったのかもしれませんね。
なお、ジウジアーロを語る上で外せないのがこちら、「セイコー・スピードマスター」。
こちらもジウジアーロのデザインで、運転時に文字を読みやすいように液晶の角度を変えています。
当時はシルバー、ゴールドもあったと思いますが、これも何度か再販されています。
後のモデルはケースバックが簡易なものになったり、と味気なくなっており、これはファーストモデルのほうがデザイン性が高いですね。
こうやって考えてみると、ぼくは車についても腕時計についても、その製品の性能や機能を追求したものよりも、デザインに特化した製品に惹かれるようですね。
つまり、ムーブメントうんぬん、というよりはその時計の見かけの方を重視する、ということです。
車についてもターボだろうがNAだろうがさほどぼくは気にせず、外観が車を選ぶに当たりもっとも重視するファクターです。
先日、ついにセイコー×ジウジアーロ「リプリーモデル」が復刻されましたが、今回はその色違いが登場。
「メタリックカラーで現代的にアレンジ」というのが今回復刻の趣旨ですが、なかなか渋く仕上がっていると思います。
当時は「スピードマスター」の名称が用いられ、その名の通りライダーやドライバーを対象としたクロノグラフというのがウリで、ハンドルやステアリングホイールを握ったままでも操作しやすいというのがデザイン的/機能的特徴。
今回は1/29に2000本限定にて3モデル発売されるほか、チックタック限定モデルも2パターン各300本限定で登場。
ブラックのケースにブラック/ホワイトダイアルのものが「セイコー×ジウジアーロ・デザイン SCED041」、価格は38,880円。
ブラックとゴールドのモデルは「セイコー×ジウジアーロ・デザイン SCED043」、これも38,880円。
ステンレスカラー(シルバー)は「セイコー×ジウジアーロ・デザイン SCED039」で、これはちょっと安い34,560円。
Tic-Tac別注モデルは上記の二本で、ブラック文字盤にレッドのインデックスを持つモデルが「セイコー×ジウジアーロ・デザインSCED045」、300本限定で38,880円。
もうひとつブラックとゴールドのコンビが(おそらくですが通常版はピンクゴールドでチックタック版はイエローゴールド)「セイコー×ジウジアーロ・デザインSCED047」、こちらも38,880円。
これらジウジアーロ×セイコーは初回の復刻モデルが一瞬で完売したこともあり各ショップが別注でリリースしたりしていますが、2回め以降の復刻では「欲しかった人」におおよそ行き渡ったようで、けっこうネット上でも余っているようですね(割引価格で販売されていたりする)。
セイコーがまたまたジウジアーロ・デザインの腕時計を復刻し「SEIKO×GIUGIARO DESIGN 限定モデル」として発売。
ただし今回は今までのものとは異なる、垂直プッシュボタン採用モデル(今までの復刻版はケースに対して直接プッシュボタンが取り付けられている)。
この垂直プッシュボタンは自動車の運転をしているときに操作しやすいように、というジウジアーロの配慮なのですが、その得意なルックスから映画「エイリアン」に採用され、主人公リプリーが装着していたことからも「リプリーモデル」と呼ばれたりします。
このオリジナルモデルはオークションでは30万円程度の値がつくことがありますが、今回の再販モデルはちょっとオリジナルとは異なるデザイン(プッシュボタンの色やインデックスのバーの太さが違う)。
以前に他のモデルを再販した時はセイコーのスタッフがジウジアーロのもとへ出向いて再度デザインを練りなおしたと聞いていますが、今回も同じく現代風にアレンジを加えたと考えられます。
今回発売されるのはSCED035(シルバー)とSCED037(ブラック)で、それぞれ限定本数3000本。
価格は32000円と36000円(税抜き)となります。
なおオリジナルの価格は48000円と55000円ですが、当時はかなり高価な腕時計であったことがわかりますね。
ただ、現代となっては「金属を巻いて輪切りにした」ブレスレットの作り、そしてバックルはかなり安っぽく見えるのも事実で、このあたりはオリジナルに忠実に再現するか、現代の技術を使用して今っぽいクオリティに仕上げるかは苦慮を重ねたところだと思います。
今年はじめに復刻版が登場した「セイコー×ジウジアーロ・ドライバーズ・クロノグラフ」。
今回はさらにホワイト・マウンテニアリングの別注腕時計ということで「トリプルネーム・ウォッチ」ということになりますね。
価格は32000円(税別)、数量は700本限定。
カラーはブラック×ネイビーで、7/10に発売です。
このモデルはいままでにも何度か復刻され、都度都度デザインを変更しているものの、ベルト部については不変のまま。
最初に登場した1983年の技術では一般的であった「板状の金属をダシまきのように巻いて輪切りにする方法」で作られたベルト、これも当時では一般的ではあったものの今では古臭いバックルについてはなんとかならないものか、と考えています。
そこが魅力と考える向きもあるかもしれませんが、より良い代替技術が普及している今、旧来の技術に固執する意味はあまり感じず、今風にラバーにしてくれればいいのになあ、と思います。
ぼくが好きな腕時計について、ふと共通項が見いだせるような気がしました。
ひとつの傾向は「ジェラルド・ジェンタ」。
ぼく的にもっとも格好良いと思える腕時計は「オーデマ・ピゲ・ロイヤルオーク・オフショアクロノ・サバイバー」なのですが、ロイヤルオークのデザイナーはジェラルド・ジェンタ。
そしてカルティエの「パシャ」も非常に好きなシリーズなのですが、こちらのデザインもジェラルド・ジェンタ。
更に最近もっとも欲しいと思えるブルガリ「オクト・バイレトロ」のデザインもジェラルド・ジェンタ。
ジェラルド・ジェンタは機能というよりもその時計の外観に強いこだわりがあり、「面」を非常に重視するデザイナーです。
それは平面であったり曲面であったりするわけですが、面ごとに磨き方を変えたりして時計の立体感や表情を出す、ということに着目したデザイナーですね。
そして、APロイヤルオークやパテックフィリップ・ノーチラス、ブルガリ・オクトのように「八角形」も彼が好んで用いたデザインでもあります。