| 当時のホンダは「F1でもっとも多くの勝利をあげたエンジンサプライヤー」だった |
そして今回撤退した後に、F1がガソリンエンジンを使用する限り、二度と参戦することはないだろう
さて、今シーズン限りで「再び」F1から撤退することになったホンダですが、最初の撤退から「復帰」した1983年のチームウェアからインスピレーションを得た公式ウエアが登場。
今回はTシャツ、ポロシャツ、パーカーが発売されていますが、結構な人気があるようでパーカーは即完売となっています(限定販売とは記されていないので再入荷があるとは思う)。
ちなみにこれらアパレルを発売しているのは「ホンダ」と「ヴィンテージカルチャー」とのコラボレーションによる「ホンダ・ヴィンテージカルチャー」。
コラボレーションは2度め
なお、両者のコラボレーションは今回で二度目だといい、”第一弾”は1964年から1968年にかけてホンダがF1へと初参戦した際のチームウエアをインスパイアしたアパレルシリーズだったそうで、今回「二度目」ということは前回もけっこうな人気を誇ったということになりそうです。
そして今回の新シリーズは「それから15年後」、1983年のF1復帰をイメージしたもの。
この当時、ホンダはV6ターボエンジンを搭載していましたが、1984年に本格的にF1に復帰することになり、1986年から1991年の間、ホンダエンジンを搭載したチームが毎年コンストラクターズチャンピオンを獲得するなど、ホンダのF1における最も成功した時期となっています。
とくに1988年にはホンダのエンジンを積んだマクラーレンが16戦中15勝をあげ(この年はアイルトン・セナがドライバーズタイトルを獲得)、翌年にはアラン・プロスト、さらに翌年はまたアイルトン・セナといった具合にタイトルを獲得。
この黄金期には今ストラクラーズタイトルを6年連続、ドライバーズタイトルを5年連続にて獲得し「F1史上もっとも多くの勝利をあげたF1サプライヤー」の名をほしいままにしながらも、主には乗用車の販売を理由にF1からの撤退を(1992年に)決めています。
その後ホンダは2度のF1復帰を果たす
参考までに1992年の撤退後、2000年にはエンジンサプライヤーとしてホンダは3たびF1へと復帰しており、2006年にはフルコンストラクターとしても参戦することに。
ただし2008年には金融危機による業績の悪化を理由に、ロス・ブラウンへと「1ポンド」でチームを売却していますが、これは2009年から「ブラウンGP」として参戦し、それまで勝てなかったのが嘘のように勝利を連発し「春の珍事」と言われたことを思い出します。※シーズンが終わってみるとダブルタイトルを獲得し、メルセデス・ベンツへとチームを高額で売却。ホンダがあと1年踏ん張っていれば、事情が変わっていたのかもしれない
その後ホンダは2015年にパワーユニットサプライヤーとして4度目のF1復帰を果たすことになり、しかし2020年に「2050年にカーボンニュートラルを達成するという目標推進のため」F1から撤退すると発表。※調子を上げてきた矢先の撤退発表であり、残念で仕方がない
もちろん撤退の理由はほかにも色々あるのだと思いますが、これを理由に掲げた以上、そしてF1が内燃機関を使用する限りは「ホンダの5度目のF1参戦」はないのかもしれません(エタノールエンジン導入後の復帰に期待したい)。
今回、このコレクションにてデザイナーを務めたパトリック・カレロ氏によれば「1960年代のHonda F1コレクションの成功を受けて、1980年代にインスパイアされたコレクションを発表することができ、レースファンやHondaブランドのファンの皆様に喜んでいただけると思います」とコメント。
アメリカでは一部ホンダディーラーでも購入できるようですね。