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シチズンが名作「サーモセンサー」を40年ぶりに復刻!シチズンの多機能時計は「機能を呼び出す」のではなく「すべての機能を文字盤上に表示する」という考え方を持っているぞ

2022/10/13

シチズンが名作「サーモセンサー」を40年ぶりに復刻!シチズンの多機能時計は「機能を呼び出す」のではなく「すべての機能を文字盤上に表示する」という考え方を持っているぞ

| 一方、カシオ(G-SHOCK含む)は「必要な機能を呼び出す」方式を採用し、表示はシンプル |

デジタル/クオーツには機械式腕時計とはまた異なる魅力がある

さて、「ツノクロノ」をリバイバルさせたシチズンですが、今回は40年前(1982年)に発売した名作、「サーモセンサー」の復刻モデルをリリースしています(33,000円~34,100円)。

これは見ての通り「1980年代のハイテクブーム」全盛の折に登場した腕時計で、カシオ・データバンク(1984年発売)と双璧をなしていたモデルでもありますが、「ビームス」「ジャーナルスタンダード」「ユナイテッドアローズ」「シップス」などのセレクトショップが好きな人達、およびそのスタッフが猛烈に反応しそうなモデルです。※シチズンはこれまでに様々なモデルを復刻しているが、サーモセンサーの復刻は今回がはじめてである

なお、ぼくは基本的にデジタル時計好き、ハイテク好きなのでこういった腕時計に強く惹かれるのですが、実際に腕に巻いたときにどうもベルトに違和感を感じ、NATOストラップなどに交換してみるものの、ついぞしっくり来ずにいつのまにか身に着けることがなくなったりすることが常となっています。

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今見てもそのテクノロジーには驚かされる

ちなみにこのシチズン・サーモセンサーがリリースされた時期というのは、とにかく「薄く、軽く」が求められていた時代であり、1985年にはカシオが世界最薄・最軽量を標榜した「ペラ」を発売しており(もちろん購入した)、これはなんと厚さ3.9mm、重量12gという軽薄さを誇ります。

そして当時の日本ではもうひとつ家電に対して「多機能」を求めるという傾向もあり、とんでもなく操作が複雑な(そして高性能な)映像関連機器が登場したり、小さいものだと電子手帳なども人気があった時代でもありますね。

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そしてこのサーモセンサーはケースサイズ33.4ミリ(横)、厚さ9.7ミリというコンパクトなサイズに、なんとアナログ時計を2個、モード切替インジケーター、デジタル常時窓(2個)、温度センサーを突っ込み、機能としてはアラーム、クロノグラフ、(もちろん)デュアルタイム、時報機能、カレンダー、電池寿命切れ予告機能、照明を内蔵していて、もちろん駆動用の電池も収めるといった驚愕のパッケージングを持っています。

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先日はリシャール・ミルが「世界最薄」機械式腕時計を発表して世の中を驚かせていますが、デジタルといえど、このサーモセンサーの技術的先進性はこのリシャール・ミルフェラーリ RM UP-01にも劣らないかもしれませんね。

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シチズンはカシオとは全く異なる考え方を持っている

ちなみにですが、この後に発売されるカシオ・データバンク(下の画像)のほうが機能的には「上(電子手帳的な機能も持っている)」だとは思うものの、アナログ時計を備えるという意味ではこのサーモセンサーのほうがよりチャレンジングだと考えていて、ぼく的には「サーモセンサー推し」。

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ちょっと脱線してしまうのですが、シチズンとカシオは決定的に異なる考え方を持っていて、シチズンは基本方針として、「すべての機能を文字盤上に表示する」というコンセプトを持っています。

聞くところによると、その理由は「極限の状況では、機能を呼び出すために腕時計を操作できない場合もあり、手袋をしていては細かい操作ができないから」。

よって、シチズンの多機能ウォッチの代名詞、プロマスターだとこんな感じで「すべての情報を、呼び出すことなく文字盤に表示」できるようになっています(これを肉眼で読み取れるかどうかは別問題である)。

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対して、カシオの高機能腕時計「プロトレック」はこんな感じで、カシオは「現在表示している情報を瞬時に読み取れること」を重視していて(これはG-SHOCKや、ぼくの大好きなアルティクロンでも同じ)、しかし別の機能(タイマーやワールドタイムなど)を使用するにはボタン等にて操作を行い機能を呼び出し、表示を変更する必要が出てきます(すべての機能を文字盤上に表示せず、必要な機能だけを表示する。スントも同様の考え方である)。

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これらは完全に設計思想の相違から来るデザインの違いということになり、なかなかに面白い差異だと考えていますが(ただし現在では、お互い意識しあっているのか、この例に漏れるものもある、ただし基本的な考え方は変わらないと思う)、世界的に見ると「機能を呼び出さなくても、文字盤だけで複数情報を読み取れる」腕時計を愛用しているエグゼクティブが多いもよう。※Apple Watchの「モジュラー」や、一部文字盤にて使用できる「コンプリケーション」は、欲しい情報を一覧表示する考え方でもある

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話をシチズン・サーモセンサーに戻すと、これはシチズンの技術が詰まっただけではなく、「操作することなく、内蔵している機能と情報を文字盤上に表示する」というシチズンの考え方を端的に表した製品であり、現代のプロマスターやアテッサにも続くコンセプトの「はしり」だと考えています。

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こういった観点から腕時計を見てゆくと、そのメーカーならではの考え方、コンセプト、そして歴史、さらには行く先も見えてきますし、どこに共感すべきポイントを見出すか、どの場面でどの腕時計を使用すべきかなども理解ができてくると考えていますが(なかなか面白い)、これが「ぼくが機械式高級腕時計だけに惹かれるわけではなく、安価な腕時計を愛する」理由のひとつでもあります。

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参照:CITIZEN

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