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オメガが宇宙飛行士に贈った「初のゴールド」スピードマスターが2億4300万円にて落札される!同宇宙飛行士が個人所有のスピードマスターを着用したことからNASAでの制式採用に

オメガが宇宙飛行士に贈った「初のゴールド」スピードマスターが2億4300万円にて落札される!同宇宙飛行士が個人所有のスピードマスターを着用したことからNASAでの制式採用に

| この「前例」ができたことにより、今後スピードマスターの価値はどんどん上がってゆくだろう |

NASA初期における3つの宇宙プロジェクトすべてに参加した唯一のアメリカ人宇宙飛行士へと贈られた1本

さて、宇宙飛行士が所有していたオメガ・スピードマスター プロフェッショナル(BA 145.022)がなんと1,906,954ドル、現在の為替レートだと約2億4300万円にて落札されたとの報道。

この腕時計は、1969年11月25日、ヒューストンのホテル・ワーウィックで開催された特別ガラディナーにて、宇宙飛行士であるウォリー・シラー氏へと贈呈されたものだそうですが、当時オメガは、「Tribute to Astronauts」シリーズとして知られるこの”18Kゴールド”スピードマスターを合計26本、生死を問わずNASAの宇宙飛行士に贈ったと紹介されています。

26本のオメガ・スピードマスター プロフェッショナル「トリビュート・トゥ・アストロノーツ」はそれぞれ仕様が異なる

なお、これら26本のオメガ・スピードマスター プロフェッショナル「トリビュート・トゥ・アストロノーツ」のケースバックには、引用文、宇宙飛行士の名前とミッション、宇宙飛行を行った日にちなんだ日付が特別にエングレーヴィングされているといい、つまりは26本それぞれが異なる仕様を持つということに。

Omega-SpeedMaster (4)

そして今回落札された腕時計は26本のうちの「No.8」であり、そのケースバック外周には「Astronaut Walter M. Schirra, Mercury 8-Gemini 6-Apollo 7」、センターには”時間と共に、時間を通して、時間の上で、人類の宇宙進出を記念する”という文章が刻印されています。

ウォリー・シラー氏は、NASAの初期段階における3つの宇宙プロジェクトすべてに参加した唯一のアメリカ人宇宙飛行士でもありますが、スピードマスターがNASAに制式採用されるきっかけを作ったのも同氏であり、というのもウォリー・シラー氏が「シグマ7号」に搭乗した際に個人所有のスピードマスター(CK2998)を使用していたことからスピードマスターに対するNASAの評価が高まったため(1962年、NASAはアポロ11号に搭乗する宇宙飛行士向けの腕時計としてオメガ、ロレックス、ブローバ等をテストしている)。

Omega-SpeedMaster (8)

当時、この腕時計は「オメガが初めて製作したゴールドのスピードマスター」だったといい、通常のスティール製スピードマスター プロフェッショナルと同じデザインとサイズを持っていますが、ゴールドベゼルには、バーガンディ(ダークレッド)のアルミニウム製インレイが施され、かの有名な「ドットオーバーナインティ」、そして「Swiss Made」の隣にある「OM(金無垢の意味)」文字が記された特別なゴールドダイアルがセットされています。

アワーマーカーはオニキス製で、それぞれ2つのファセットがあり、ゴールドのフレームにセットされるという特別仕様、そして時針と分針はブラック仕上げ(センターはゴールド)となっており、ソリッドゴールドの文字盤とのコントラストが演出されることに。

Omega-SpeedMaster (5)

ゴールドのブレスレット(1116/575)は、中空リンクとストライプ装飾を持つ14mmゴールドのクラスプを備えています。

ケース径は42ミリ、ムーブメントはレマニアをベースにしたクロノグラフキャリバー861(21,600vph)を使用していますが、動作に問題はないといい、付属品も完備、しかし化粧箱に若干の傷みがある、とのこと。

Omega-SpeedMaster (7)

オメガ・スピードマスター プロフェッショナル「トリビュート・トゥ・アストロノーツ」は考えうる限りのオリジナルコンディションを維持

このオメガ・スピードマスター プロフェッショナル「トリビュート・トゥ・アストロノーツ」は、ウォリー・シラー氏が生涯にわたり所有していたそうですが、宇宙グッズコレクターとして知られるラリー・マクグリン氏がウォリー・シラー氏の死後、シラー家からこの時計を直接購入したと紹介されています。

購入時には(ウォリー・シラー氏がオリジナルのベゼルを紛失していたため)オメガから同じ仕様のバーガンディ・ベゼル(1969年生)を購入し、ラバーガスケットとともに追加したとされ、しかしそれ以外は全て当時の状態を保っており、パーツ含めてすべて「当時のまま」。

Omega-SpeedMaster (6)

プロによる洗浄が行われているものの、レストアは行われていないという貴重な一品であり、「クレーターで覆われた月面がデザインされたオメガ・スピードマスターのスクエアボックス(このボックスは一般ユーザー向けに販売されたスチール製バージョンに転用された)」、そしてウォリー・シラーが(紛失したバーガンディのベゼルの代わりとして)購入したブラックベゼルが付属する、とのこと。

参考までにですが、オメガはこのスピードマスターBA 145.022を1,000本製作しており、シリアルナンバー1は当時のリチャード・ニクソン大統領へ、ナンバー2はスピロ・アグニュー副大統領へ、そしてナンバー3からナンバー28までが宇宙飛行士へと(特別な刻印とともに)贈呈されており、ナンバー29~32はVIPへと贈られ、ナンバー33~1,000が一般ユーザー向けに販売されたのだそう。

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参照:RR Auction

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