時々欲しくなるブライトリング。
ぼく的には「新品で購入してはいけない腕時計」ナンバーワンと考えており、その理由は当然ながら売却価格がかなり低いためです。
よって中古狙いとなりますが、ブライトリングは新社会人対象のアンケートにて「欲しい腕時計ブランド第1位」となっていて、そのためにけっこう中古は品薄(なのにリセールは低い)。
リセールが低い理由としては、腕時計そのものとして見たときに精度や材質、加工の面において他ブランドに比べて抜きん出た価値がないことがあると思います。
ロレックスのように堅牢なステンレスケース(904L。これはロレックスにしか加工できない)かつオイスター構造を持つわけでも、オーデマピゲのように磨きとブラシ仕上げが美しいわけでもなく、人気が「宣伝広告に依存している」ことが原因だと考えているのですね。
よって新品や正規品を購入することはその宣伝広告活動費用を負担するのと等しく(これに納得し、支払えるだけの資金があれば問題はない)、しかし中古だとその部分が削げ落ち、純粋に時計としての残存価値が市場価格になっている、と考えています。
並行物も一時は多く見ましたが、円安とブライトリング側の規制のためかあまり見かけることがなくなりましたね。
同じような例ではカルティエの腕時計がほぼ正規ルート以外で入ってこなくなったというものがあり、代理店保護のために本社がなんらかの対策を取っているものと思われます。
なお新品かつ正規品を購入すると「クラブ・ブライトリング」に入会でき、ラウンジへの入場が可能になったり新製品発表会に呼んでくれたり会報誌が届いたり、オーバーホール料金が割安になったり、と手厚い保護を受けることが可能。
クロノスペース・ミリタリー(65万円)
けっこう新品価格が高騰してきているブライトリングにおいては安い部類になってしまったクロノスペース・ミリタリー。
文字通りのミリタリー仕様で、ブライトリング得意のデジアナ仕様。
アナログは24時間表示でないのが残念ですが、王冠型のベゼルが雰囲気を出しており、中古であればコストパフォーマンスはまずまずではないかと考えています。
ストラップは合成繊維。
王冠のような形(実際はバルブのノブだと思う)の時計としては「ベル&ロスWW2レギュレーター」がありますが、そちらのほうが加工精度や雰囲気含めると「上」かもしれません。
オールドナビタイマー・ジャパン・エディション(70万円〜)
ナビタイマー自体は1952年に発売され、その後1986年に「オールド・ナビタイマー」となりましたが、2003年頃にまた「ナビタイマー」に名称が戻されています。
その後日本市場向けに「オールド・ナビタイマー」が復活し、割安な価格ということもあり人気が高いモデルですね。
他のモデルが近代的なデザインであったりケースに加飾があったりする中、このナビタイマーはシンプルなケースに最大面積ともいえる配置を持つ大きな文字盤、精密なインデックス、タキメーターなどが特徴。
クラシカルな雰囲気があり、これを身につけているとなんとなく賢そうに見える不思議な時計ではありますね。
なおオールド・ナビタイマーはケースサイズが41.5ミリですが、ナビタイマーは43ミリ。
インダイアルの位置にも差異があり、オールド・ナビタイマーは12/6/9時、ナビタイマーは3/6/9時。
オールド・ナビタイマーを初めて見たときは「なんて大きな時計なんだ」と思いましたが、今となってはさほど大きくない部類になってしまったのが時代の流れを感じさせるところ(当時はメンズでも38ミリくらいだった)。
ある意味ブライトリングを代表するモデルとも言え、ブライトリングを購入するのであれば、おそらくこれがもっとも有力ではないかと考えています。
中古も比較的豊富で探しやすいモデルでもありますね。
購入した際には「ミラネーゼ・ブレスレット」に交換したいと考えており、これはブライトリングでも「トランスオーシャン・クロノグラフGMT」に採用されているもの。
たぶん文字盤の雰囲気とマッチするのではと考えています。
スーパーアベンジャー・ミリタリー(83万円)
文字通りのミリタリー仕様で、無反射コーティングガラス、ステンシル風のベゼル上の文字とインデックス、ブライトリングにしては珍しい無骨でシンプルなハンズ(針)、24時間表示(軍隊仕様は24時間表示が多い)が特徴。
リューズも大型ですね。
48ミリというドデカサイズで、エクスペンダブルズのメンバーが好みそうな腕時計ですね。
ストラップもミリタリー仕様の合成繊維です。
出回っている数が非常に少なく、中古市場で見かけるのは非常に稀。
クロノマット44(81万円〜)
現在ブライトリングでは一番人気ともいえるモデル。
2009年に自社ムーヴメントを搭載して登場したもので、やはりそれまで供給を行っていたETA社がムーブメントの供給を停止したことによってブライトリングも自社ムーブ開発を余儀なくされたわけです。
なおパワーリザーブは70時間、24時間早送りカレンダー装備と最先端レベルの性能を持つに至りました。
ベゼル上の「線」はこのモデルから「数字」に置き換えられ、今までのブライトリングにはないポップなフォントが特徴。
文字盤上のインデックスも太くなり、今までのクロノマットの繊細さと美しさに「大胆さ」が加わったという印象があります。
インダイアルにはスリット加工が施され、タキメーターも立体的であり、画像で見るよりも肉眼で見たとき、さらに言えば光が当たったときにその精巧さがよく分かる一本ですね。
こうやって考えると購入するのであればやはりオールド・ナビタイマーかクロノマットか、と思います。
それらのデザインは比較的長く継続していて、かつブライトリングの中では人気が高いモデルであり、リセールを考えるとこの2モデルしかない、という判断ですね。
ほか、ベントレーとコラボ(ブライトリング・フォー・ベントレー/BREITLING FOR BENTLEY)していることも有名で、単にベントレーの名前を乗せただけではなくケースやストラップ、ベゼル、もちろん文字盤が専用となるため、単なるダブルネームの枠を通り越して付加価値の高いモデルに。
ベゼルにはベントレーの内装にも用いられる切削加工が施されるのが外観上の大きな識別点ですね。
なお、ブライトリング・フォー・ベントレーの腕時計はすべてクロノグラフとなることも特徴。
こちらも日本向けモデルの「ベントレーGT FOR JAPAN」等日本仕様モデルが存在し、ブライトリングが日本市場を重視していることがわかります。
スチールケースに炭素コーティングを施した「ミッドナイトカーボン」シリーズもなかなか秀逸。