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ポルシェGT部門は今後「ピュア」「シンプル」を重視。911Rの反響がその方向性をチェンジ

2017/10/11

「人びとはシンプルを好む。スクランブラー・バイクやシングルギア自転車のような」

ポルシェは数少ない「自然吸気エンジン搭載」「マニュアルトランスミッションを持つ」メーカーになってしまいましたが、今後も「ピュア」「シンプル」なスポーツカーを作りたい、と考えている模様。
英国AutocarにポルシェGT部門のチーフが語ったところでは「ケイマンGT4や911Rがマニュアル・トランスミッションの重要性を気づかせてくれた」とのこと。

今後もマニュアル・トランスミッションは継続

ポルシェは一時期「マニュアル・トランスミッションは現在の販売台数だと商業的には用意する意味が見いだせない」「速く走るという意味においてもMTはもはや不要」という方向になってしまい、その後にMT愛好派向けに限定で登場したのが「911R」。
これは「シンプルな911」で、大きなウイングやターボ、4WDもなく、そしてマニュアル・トランスミッションを組み合わせた「ピュアな911」。

これが(当時911GT3やGT3RSにマニュアル・トランスミッションが用意されなかったこともあり)大人気となり、一時は「億」をも超える中古相場に。
つまりは「台数こそ少なくとも」非常に強いMTの需要があり、そして「スポーツカーだからこそ」MTでなければならないと考える人びとが多かったということが立証された、ということになります。

上述のチーフによると、「ピュアなスポーツカーはバイクで言えば”スクランブラー”、自転車だと”シングルギア”のようなものだ」と表現されており、「シンプルを好む人びとは少なからずいる」と続けています。

なお、マニュアル・トランスミッションにおいてはフェラーリ、ランボルギーニがすでにこれを廃止し(マクラーレンに至っては最初から考慮されていない)、BMWもこれを廃止する意向。
アストンマーティンはMT継続の意思を示すもエンジンは「ターボ」化、というのが現状ですね。

なお、今回の考え方を製品として世に送り出したのが911の最新バリエーション「GT3ツーリングパッケージ」ということになりそうですが、「限定」ではなくカタログモデル(いつでも買える)としたことは非常に大きな意味を持ち、ポルシェにとって「911R」はトランスミッションだけではなく、販売方法についてもいろいろと考えさせられる車だったのかもしれません。

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