最近のGT-R人気はちょっと異常
さて、昨年は「世界最高速度違反記録」を持つトップシークレットのV12スープラが出品されて話題となったBHオークション。
今回もまた東京オートサロン開催にわせて競売が開かれることになりますが、その内容がこれまた「レアカー揃い」で、JDM(日本国内専売車)大好きな米国人が狂喜乱舞しそうな内容となっています。
とくにGT-Rの価格上昇は著しく、初代GT-Rだと予想落札価格2000万円オーバーはザラで、R34 GT-R Nur Spec IIの程度が良いものでは最高で2500万円という落札予想が示されるほど。
そこでその一部を見てゆきたいと思いますが、まず上の画像は日産R35 GT-Rのチューンドカー(コンプリートカー)、「 2008 HKS TF KAMIKAZE R SUPER SONIC 」。
その出力は1000馬力オーバーのモンスターGT-R
このGT-R” 2008 HKS TF KAMIKAZE R SUPER SONIC ”の特徴として掲げられているのは下記の通りですが、その出力はなんと1036馬力。富士スピードウェイでの「ラジアルタイヤ最速」の記録を持っており、予想差落札価格は1800万円~2500万円。
昔はこういったチューンドカーの取引価格は「二束三文」のケースが多かったものの、最近では諸外国のバイヤーがこぞって購入するため、むしろ「ベース車よりも高くなる」場合が多くなっています。
- HKS テクニカルファクトリーのコンプリートマシン
- FSW のレーシングコースでラジアルタイヤ最速のラップタイム1:41.7を記録
- VR38DETT の排気量は 4.1ℓにスープアップ
- HKS GT1000 タービンキットを装備し、1063PSを発生
- ドライブトレインは HKS の強化トランスミッションで対策
- DCT クーラー、デフクーラーキットを装備し油温対策済
- VARIS との共同開発による専用デザインのエアロボディ
- ESTIMATE : ¥ 18,000,000 - 25,000,000
世界に4台、HKSによるR32 GT-Rのコンプリートカーも
最近ブルネイにて公開され話題となったR32(BNR32)GT-Rのコンプリートカー「ZERO-R」。
ブルネイに一台、日本に3台しか存在しない(もともと製造されたのは10台ですが、6台が廃車に)希少車で、かなりな高値をつけるかもしれませんね。
この1993 HKS ZERO-R の予想落札価格は1400万円~1900万円。
チューニング内容は下記の通りとなっています。
- 1993 年に登場した HKS ZERO-R のエボリューションモデルとして HKS テクニカルファクトリーがリメイクしたコンプリートカー
- RB26DETT の排気量を 2688cc にスープアップ
- HKS の可変バルブタイミング機構 “V-Cam” を採用
- 最高出力は 600ps を実現
- 重量バランスを考慮し燃料タンクをリヤシート部分に移設して2シーター化
- エアロは空力面まで考え抜かれた ZERO-R の専用設計
- 300km/h での高速巡行が可能なコンディション
- HKS TS によるコンプリートカーのリメイク台数は僅かに4台
- ロブソンレザーによるスペシャルインテリア
まさかの「RB26DETT」をNA化したGT-Rも登場
こちらも超レアな、R32GT-Rをオーテックがカスタムした「 NISSAN SKYLINE AUTECH S&S COMPLETE 」。
R32 GT-Rベースというよりは、R32スカイライン(4ドア)をベースにGT-Rスペック(ただしNA)にした、といったほうが正確かもしれません。
このGT-Rの予想落札価格は180万円~250万円。
ほかのGT-Rに比べるとゼロが一個少ない状態ですが、やはり「パワー」が問題なのかも。
この車両の紹介は下記の通り。
- 日産自動車の特装車部門、オーテックが製作
- 500 台のみの限定販売
- BNR32 用の RB26DETT を NA 化して専用チューン
- 最高出力は 220ps(BNR32 は 280ps)
- 専用色イエロイッシュグリーンパールメタリック
- 駆動方式は電子制御トルクスプリット 4WD(アテーサ E-TS)
- アルミ製ボンネット、専用サスペンション&ホイールを採用
- 内外装共にレストアを必要とするコンディション
- S&S エンジニアリングの手で 5 速 MT に換装
- BNR32 ニスモ用バンパー、V スペック用ホイールを装備
レア度ではナンバーワン、240RS
よくこんな車両が出てきたな、という1983年の日産240RS。
グループBのホモロゲーション取得のために制作された車両ですが、走行距離はなんと585キロという新車コンデイション。
予想落札価格は900万円~1400万円となり、車両の紹介は下記の通り。
- グループ B ホモロゲーション取得用モデル
- 生産台数 200 台(右ハンドル 50 台、左ハンドル 150 台)
- 2340cc, 240ps の FJ24 型エンジンを搭載
- 走行距離 585km の新車に近い状態
1692年のスカイライン・スポーツはこんな顔だった
1957年に登場したスカイラインですが、これは1962年に追加された「スカイライン・スポーツ」。
生産コストが高く、そのために車両本体価格も高くなってしまい、その結果販売台数はわずか60台程度に終ってしまった悲運のクルマ。
なお、この車両は1964年に生産されたもので、その希少さからか予想落札価格は3000万円~4000万円。
車両については下記の通り紹介されています。
- 1960 年のトリノショーでデビュー
- 日本初のスペシャリティカー
- ボディはイタリアの名匠ミケロッティのデザイン
- ボディはほぼハンドメイドで製作
- シャシーはセダンのプリンス・グロリアから流用
- 新車価格は 185 万円(現在の価値換算で 2000 万円)
- 総製造台数はクーペが 33 台(35 台説も)、コンバーチブルが 25 台
- 2009 年のコンコルソ・デレガンツア・ヴィラデステに出展
- 非常に良好なコンディション
バブルの象徴、フェラーリ「テスタロッサ・ケーニッヒ・スペシャル」も
そしてバブル期には相当な台数が日本に入ってきたと思われるフェラーリ・テスタロッサ・ケーニッヒ・スペシャル。
なんと800馬力のスインターボというスペックです。
予想落札価格は2000万円~3000万円、車両については下記の通り紹介されています。
- シリアルナンバー/ KSFTR WIM88J0001
- ケーニッヒ・スペシャルズのコンプリートモデル
- 800ps のツインターボ仕様
- 正規輸入元カークラフトが輸入・販売
- ケーニッヒ・コンペティション用のカーボンアタッシュケース付き(SN.001)
ちなみにもっと派手な「フェラーリ・テスタロッサ」のケーニッヒ仕様もあり、こちらはエンツォ・フェラーリが「フェラーリのエンブレムを外せ」と激怒したと言われる個体。
VIA:BH Auction