スズキ・ジムニーはメルセデス・ベンツGクラスに劣っていない
そのルックスが似ていることで話題となりながらも、意外と直接の比較がなされなかったメルセデス・ベンツGクラスとスズキ・ジムニー。
そして両者とも本格的なオフローダーとして知られることも共通ですね。
今回はその両者(欧州で販売される車両を使用しており、これは日本ではジムニーシエラとして販売されるもの)を比較する動画登場していますが、その内容はけっこう興味深いもので、ここで紹介してみたいと思います。
スズキ・ジムニーの動きは軽かった
動画を見ると、ジムニーの場合はタイヤが空転しようがしまいがアクセルを踏んで悪路を乗り切るという感じ。
どんな悪路も「駆け抜ける」というような軽快感があります。
一方でメルセデス・ベンツGクラスはそのトラクションを確かめながら、ゆっくりと確実に走ってゆくという印象。
両者を見比べると、同じところを走っていても大きくその挙動が変わることがわかりますね。
なお、火山灰が積もっていたり、深いぬかるみのような「車体が沈むようなシチュエーション」だと(その軽量性を活かせる)ジムニーに勝るオフローダーはない、とも言われます。
やはりジムニーの性能はエクストリームだった
そしてこちらは別の動画で、該当にてアングルを組んでジムニーの走行性能をデモンストレーションする内容。
デパーチャーアングル、ブレークオーバーアングル、アプローチアングルの大きさがよく分かるものとなっていますが、そのポテンシャルの高さには驚愕。
極度の傾斜もスイスイ。
周囲からは「おおー!」という声も。
そしてこちらはあまり見たことがないものですが、「ローラー」を仕込んだプレートの上を走行するもの。
つまり「タイヤが空転」する状況を作っているわけですが、ちょっとでもグリップすれば一瞬で駆け上っています。
ジムニーのは安全性能は高くないという評価
そしてこちらはちょっと前に公開された、ユーロNCAP基準による安全性のテスト動画。
残念ながら評価は5つの星のうち「3つ」で、2018年にテストした車両のうち「最低」だそう。
評価内容としては成人搭乗員が73%、児童搭乗員で84%、歩行者保護は52%、運転支援機能だと50%。
ジムニーはメルセデス・ベンツGクラスやトヨタ・ランドクルーザーと同じく「ラダーフレーム」を採用しているので、かなりな車体強度がありそうですが、やはりもともと軽規格で作られている、というハンディキャップが大きいのかもしれませんね。
歩行者に対する安全テストはこんな感じでダミー人形を使用するようですが、見ているとやはりドキドキハラハラ。
こういった「先行する歩行者」に対してはまだ有効に自動ブレーキが作動しているようですが、横断歩道のように「歩行者が横切る」場面だとちょっと苦しい結果となっています。
こちらがその動画ですが、実際に見ていると「軽いからこの評価はやむをえない」という気も。
安全性を高めるにはボディを大型化する必要があり、となると重量が増加し、それでも運動性能を確保するためにはエンジンを高出力化する必要に迫られることに(そうなるともうジムニーではない)。
そして大型化・高出力化した場合、今度は「排ガス規制」という壁にぶち当たることになって、つくづく自動車を作るというのは難しいことなんだなあ、と思い知らされますね。
なお、ジムニーは「勝手に自動ブレーキが作動」という問題も報告されており(これはスズキも把握している)、安全にかかわる制御系については改善の余地があるのかもしれません。