さらにめずらしい右ハンドル仕様
1972年モデルのフェラーリ・ディーノ246GTクーペが2月23日に開催のシルバーストーン・オークションに登場予定。
最大の特徴はそのボディカラーで、2台もしくは3台のみしか製造されなかった「明るいブルー(Azzurro Dino)」。
そのため希少価値は非常に高く、最高落札価格は4000万円に達すると見られています。
もっとも完成度の高い「最終型」ディーノ
加えてこのディーノはもっとも完成度の高い「シリーズE(最終モデル)」で、なおかつ「ほとんどがオリジナルの状態を残している個体」。
フェラーリ”ディーノ”246GTは206GTの発展型でエンジン排気量が拡大され(2.4リッター)、さらにホイールベースが延長されており、1974年の生産終了までに3つのシリーズ(L/M/E)がリリースされています。※フェラーリによる解説はこちら
最初のシリーズLは1969-1970年、真ん中のシリーズMは1971年のみ、最後のシリーズEは1971年から1974年まで生産されていますが、シリーズEはエンジンやギアボックスが改良された「ディーノの集大成」とも言えるモデル。
なお、「ディーノ」はフェラーリ初の量産車で、「V12エンジン搭載車以外はフェラーリとは言わん」と断じたエンツォ・フェラーリの息子が進めていたプロジェクトでもあるV6エンジンを搭載。
その息子の名は「アルフレッド」、愛称ディーノであったわけですが、若くして亡くなった愛息ディーノをしのび、エンツォはこの(V6エンジンを搭載する)クルマを「ディーノ」と命名することに。
なお、上述のように「V12以外は」という信条もあり、「ディーノ」はフェラーリとは別のサブブランドとして立ち上げる意向があったようで(息子同様にフェラーリブランドを愛しており、それを汚されたくなかったのだと思う)、そのため車体には「フェラーリ(Ferrari)」の文字やエンブレムが与えられなかったとは言われるものの、実際にはオプションでフェラーリエンブレムを装着できたりしたようで、この個体も「Ferrari」エンブレムや跳ね馬(プランシングホース)が装着されていますね。
なお、フロントのエンブレム、ホイールのセンターキャップはフェラーリではなく「Dino」のまま。
インテリアはブラック(ネロ)レザーでオプションのラジオ(時代を感じさせる・・・)、ノーズバー、パワーウインドウが装着済み。
ステアリングホイールのホーンボタンも「Dino」ですね。
なお、このディーノ246GTクーペが納車されたのは1971年11月で、これまでのオーナーは4人、そして走行距離は8万3341キロ。
メンテナンス履歴としては1991年に大きなオーバーホールを行っており、エンジンのリビルト、塗装の保護ペイントを施工。
2018年には約150万円をかけてサスペンションとブレーキ、細かいパーツを交換している、とのこと。
付属工具も残っているようですね。