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まさかの「走行54キロ」、新車状態の初年度ダッジ・ヴァイパーが発見される。空調完備の室内で保管され、「もっともコンディションのいいヴァイパー」として販売に

2019/02/13

売りに出てきたのはまさに奇跡

ここ最近、「地下室にずっと保管されていた」「納屋にずっと保管されていた」といったたぐいのクルマがいくつか表に出てきていますが、今回はなんと走行わずか54キロ、つまり新車と言って差し支えないダッジ・ヴァイパーが発見され販売されることに。

製造されたのは1992年で、エンジンは8リッターV10、出力は400馬力、0-100キロ加速は4.2秒。

価格は”割安”な1100万円

現在e-bayにて販売されているものの(1100万円の値付けがなされている)、今回販売に出される経緯は不明。
コレクターが空調の入ったガレージでずっと保管していた車両だそうですが(つまり忘れ去られていたわけではない)、それがなぜ今になって売りに出されるのかも謎のままです。

出品者が記載している情報は下記の通り。
画像を見る限り「驚くべきコンディション」を保っているようで、正直この価格だと間違いなくお買い得。

・走行34マイル(54キロ)のみ
・窓には販売時の価格表示が残ったまま
・コレクターへ納車された車両
・タイヤは当時のオリジナルで、フラットスポットやクラックはなし
・空調管理されたガレージにて保管
・燃料タンクからは古いガソリン抜き取り済み
・油脂類交換済み
・フィルター類交換済み

ダッジ・ヴァイパーはこういったクルマ

ダッジ・ヴァイパーの初登場は「コンセプト」としての1989年となり、市販されたのは1991年(モデルイヤーは1992)。

シボレー・コルベットに対抗するクルマとして企画され、当初「シェルビー・コブラ」を意識していたためかネーミングも「毒蛇系」となっています。

エンジンは8リッターV10を採用し、これは当時クライスラー傘下にあったランボルギーニがチューンを行い、かつ足回りなどもランボルギーニの手によるもの。

このクルマを企画したのはボブ・ラッツ氏だとされ、同氏はこれまでにもクライスラー・プロウラーやPTクルーザーといった名車を生み出しており、「マニア受けする」クルマを造ることでも知られます。

そういった経緯もあってヴァイパーはそんなに売れるとは想定されず、初期モデルはサイドウインドウもビニールで、フロントカウルも外から開くことができるという「普通に乗ることを考えてない」クルマ(よって、当初は3年ほど限定生産して終了となる見込みだった)。

ただ、発売してみると非常に大きな反響を呼び、要望に応える形で2010年まで生産が継続され、その後2012年に「二代目ヴァイパー」が登場するまでに。

しかしながらその後2017年に(販売低迷のため)惜しまれつつも生産が終了してしまい、現在のところ「後継モデルはない」とされていますね。

FCAが公式にヴァイパー後継を否定。「そんなものは無い。そのカネも無い」

なお、ヴァイパーの「最後の一台」はダッジ・チャレンジャーSRTデーモンとともに(セットで)オークションにかけられ、なんと1億1000万円という価格で落札されたのは記憶に新しいところ。

最後のヴァイパー+チャレンジャー・デーモンが1.1億円で落札。それでも「安い」と言われるその理由は?

よって今回のヴァイパーは「1100万円でも安い買い物では」と考えており、かつ今回のような「売り物」が出てきた事自体が大きな衝撃だとも言えます。

日本においては「クライスラー・ヴァイパー」として1997年から2002年まで正規輸入されていますが、目にする機会は非常に稀(カーセンサー上では10台の登録がある)。

ダッジ・ヴァイパーには様々な逸話がある

なお、ダッジ・ヴァイパーは過去にミドシップ化されるチャンスがあり、1990年代半ばにそのチャンスが訪れるも実現せず。
このときの中心人物がフォードへと移籍して「フォードGT」としてミドシップスポーツを実現することとなっています。

なお、コルベットも随分前に「ミドシップ化できる」チャンスがあり、しかしヴァイパー同様にその機会は流れてしまい、今回のミドシップ化までに「54年を要した」と報じられていますね。

そしてもうひとつヴァイパーの面白いところは、「2代目ヴァイパーにはマクラーレンが噛んでいる」こと。
2008年の小変更において、マクラーレンがそのエンジンチューンを担当しており、ボアアップのほかインテークマニフォールドやオイルポンプも変更されています。

初代ヴァイパーにおいてはランボルギーニ、二代目においてはマクラーレンがその開発や改良に関わったということになりますが、自動車史上、この二社が関わったスポーツカーというのはほかに例を見ないかもしれません。

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