この「1000万円」はおそらく安すぎる。もっと価格が上がってもいいはずだ
現在マニュアル・トランスミッションを搭載するスーパーカーは絶滅の危機にあり、すでにフェラーリとランボルギーニはマニュアル・トランスミッションの生産を終了させ、マクラーレンは最初からマニュアル・トランスミッションを考慮に入れない設計を持っています。
アストンマーティンはMTの継続について意欲を示しているものの、実際のところは「需要がなく」、結局ヴァンテージについてはMTが用意されないまま。
ミドシップ化される新型コルベットにおいても「MTなし」と報道されており、とにかくもう「スーパーカーではMTを選べない」時代となっているわけですね。
絶滅危惧種「MT搭載スーパーカー」は今後値が上がるのは間違いなさそう
そこで今回オークションに登場するのがフェラーリ360モデナのマニュアル・トランスミッション搭載車。
フェラーリは現在MT車を製造していないものの、この360モデナ、そしてこの後継であるF430についてはMT車が存在しています(その次の458イタリアからMTは消滅)。
なお、フェラーリ360モデナは3.6リッターV8エンジンを搭載し、400馬力を発生。
その生産の多くはセミオートマ(F1マチック)が搭載されており、360モデナのクーペに限っては、MTを搭載する個体はわずか341台のみ。
ボディカラーはアルジェント・ニュルブルクリンク(シルバー)で、このカラーを持つのは2,000台だと言われます。
ブレーキキャリパーはレッド、インテリアカラーはブルー(ネイビー)、そしてバケットシートを装備しており、「極めて望ましい」つまり一般性が高く誰もが欲しがる仕様を持つために価値が高い一台となっています。
なお、この個体はここ3年同一のオーナーによって所有され、「雨天未使用」。
走行距離は45,062km、最終のメンテナンスはつい二週間ほど前。
付属品としては二本のキー、整備記録、カバーやツールキット、レザー製車検証入れなどすべてが揃い、歴代オーナーに大切にされてきたことがわかりますね。
このフェラーリ360モデナについては、5月はじめのシルバーストーンの開催するオークションに出品されることになり、予想落札価格は最高で1000万円。
参考までに、日本の中古市場にて登録されている360モデナは51台。
おおよその価格は800万円前後〜1000万円前後といった個体が多いようですが、6MT搭載車もチラホラ。
そして6MTの場合はほとんど1000万円を超えており(”応談”も多い)、日本市場におけるこの価格帯を考えると、今回出品される360モデナは「もっと高くてもいいのでは」とも思います。
フェラーリ360モデナは1999年〜2005年の生産ですが、15年程度経過しているクルマで「1000万円オーバー」というのはフェラーリをおいて他になさそうでもありますね。