予想落札価格は最高で3700万円
今年は年初から希少なクルマが続々納屋から発見されていますが(納屋=バーン、というところから”バーンファインド”と呼ばれる)、またまた希少なBMW M1が発見されることに。
一見してこのM1は通常のM1とは異なることがわかりますが、これはもともと「通常の」M1として1979年に製造されたものの、その二年後にレーシングドライバーであるハラルド・アートル氏が入手し、ボディパーツ変更に加えてタービン交換などのチューンを行い、ノーマルの273馬力から410馬力へと性能を向上させた車体だそう。
その改造幅はかなり大きい
なお、改造は(オイル会社の)BPとともに行われ、というのもBPのプロモーションに使用することもひとつの目的であったため。
そしてそのプロモーションとは時速300キロを超えることであり、実際に1981年10月17日にその目的を達成したそうですが、残念なことに公式記録としては「時速300キロ突破」という記録は残っていない、とのこと。
下の画像は「通常の」BMW M1ですが、これと比べると今回の「レコードブレイカーM1」はノーズが延長され(しかしキドニーグリルがちゃんとついている)、フロントフェンダーとフロントフードはよりなめらかな形状に変更され、ドアミラーもエアロ化。
そしてドアからリアフェンダーにかけてもダクト類が削られて表面がなめらかになり、ホイールのリムの深さからするに前後とくにリアフェンダーは大きく張り出しているようです。
もともとのM1のボディサイズは全長4360ミリ、全幅1825ミリ、全高1140ミリ。
エンジンは3.5リッターV6、トランスミッションは5速マニュアル、駆動輪は後輪のみ、車体重量は1300キロ。
デザインはジウジアーロ、製造は1977年〜1981年、生産台数は477台のみ、とされています。
BMW M1にはいくつかのバリエーションが存在し、これまでにも10台だけ製造されたワイドボディ仕様のM1が1億円で販売されたことも。
そのほか、通常版のM1であっても5000万円を超える値をつけることがあり、M1は今後の「有望株」だと言えそうですね。
このBMW M1「レコードブレイカー」に話を戻すと、この個体が最後に確認されたのは1993年で、その後およそ25年のものあいだ行方がわからず、しかし今回その姿が衆目にさらされることとなったわけですが、25年も「どこでどう保管されていたのか」、そしてどういった経緯で見つかったのかには触れられておらず、そこは興味のあるところ。
このBMW M1はテクノクラシカにてコイ・オークションが競売にかけるそうですが、予想落札価格は最高で3700万円程度だと見られています(この価格はかなり低いと思う)。
オークション開催元によると、「このM1は”M1と名のつくクルマ”の中ではもっとも希少な一台であり、自動車の歴史を語る上でも重要な一台」とのこと。
上述のように正式な記録は残っていないものの、多くの人がその背景に興味を示しているといい、もしかすると予想を遥かに超える高値がつくかもしれませんね。
VIA:COY AUCTION