| 80年代のグループBラリーカーは”なんでもあり”だった |
1985年製、MGメトロ 6R4 グループBラリーカー”未走行車”がオークションに登場予定。
もともとこの「MGメトロ 6R4」はグループB(グルッペB)ラリー参戦のためのホモロゲーション取得用モデルで、200台のみが生産されたもの。
そしてこの個体は1896年にカーコレクターが新車にて購入したもので、200台生産されたうちの189番目、そして走行距離はなんと11.2キロ。
もうこんなクルマを販売できる時代は二度とやってこない
そしてこのMGメトロ 6R4について、最初のオーナーが手放した後はドニントン・ミュージアムへ6年間展示され、その後2002年に現在の出品者が購入。
なお、購入以後現在に至るまでしっかりメンテナンスされてきた、とのこと。
なお、オーナーが変わっても走行していないということは、新しいオーナーもこのクルマの価値が上がると考えて「保存」していたということになりますね。
実際に今回の競売における予想落札価格は最高で3300万円ほどだと見られ、投機対象としてはかなり優れているとも考えられます。
なお、 MGメトロ 6R4のエンジンは3リッターV6。
もちろんエンジンはリアミッドへと移動させられていますが、面白いのは「4WD(この時代、まだ4WD化できていないライバルも多かった)」。
エンジンはこんな感じ。
出力は253PS、そしてさらには416PSバージョンも存在したようですね。
インテリアはなんとまだビニールが被ったまま。
1980年代は変態車の宝庫だった
なお、1980年代はラリー人気が高かったということもあり、多くのメーカーがラリー出場を目的としたホモロゲーション取得のために多くの「変態モデル」を投入。
その代表格は「フォード・シエラRS500」で、これはコスワースチューンのエンジンを搭載したことが特徴。
さらに変態度が高いのがルノー5ターボ。
これはFFコンパクトハッチの5ターボを極限までチューンしたクルマで、もともとフロントに積まれていたエンジンをリアへ移動させて超ワイドボディ化したクルマ。
もうもとの設計思想が残っていないという変態車です。
さらに上級の変態車がフォードRS200 EVO。
これは市販車ベースではなく、レギュレーションに合致するように新設計されたクルマで、恐ろしいのは(ホモロゲーション取得のためとはいえ)この「2.1リッター、600馬力」のクルマを市販してしまったこと。
そしてランチア・ラリー037ストラダーレもそうとうな変態車。
前半分は市販車のモンテカルロからの流用ですが、車体後半はジャンパオロ・ダラーラの設計によるチューブラーフレーム、そしてもちろんミドシップ。
当然ホモロゲーション取得のために市販され、公道走行が可能です。