| スーパーカー一台にかかる税金は「もう一台分」に等しい |
中国にて、フェラーリ599GTBがなんと約3万円という開始価格からオークションへと出品されることに(しかも最低落札価格はない)。
該当のフェラーリ599GTBは中国は南方のドンガンにて警察署が保管している個体で、保険未加入、かつ未登録が発覚したための押収された個体だそう(一部の国や地域では無保険は違法)。
この(み保険、未登録という)事実は、このフェラーリが事故を起こした際に発覚したものだとされ、つまり装着されるナンバープレートも「違法に」取得したものということになりますね。
中国は違法行為に対して徹底して厳しい
さらに言えば、このフェラーリ599そのものが中国に「密輸」されたものであり、よって中国の陸運局にあたる機関にはこのクルマの情報は登録されておらず、つまり法律上だとこのフェラーリ599は「クルマではなく鉄の塊」。
よって購入したとしても中国国内では登録できず、よって乗ることもできないということになります。
なお、中国から持ち出そうとしても「国内には存在しない」モノということになるので書類発行ができず輸出はできないと思われ(そのたり中国の管理は厳しい)、通関そのものが不可能だと考えて良さそう。
となると購入した人は「置いておくか」「サーキットなど公道以外で走らせるか」、はたまた分解して売却するかということになりますが、分解して売れば「数百万」もしくは1000万円以上にはなりそうで、なんだかんだでそれなりの高値をつけることになるのかもしれません。
もしも交通事故に巻き込まれなければ、このフェラーリ599が「違法に登録されたもの」だということは分からなかったということにもなり、それを考えると中国には違法登録車がほかに存在する可能性がある、ということにも。
さらに考えてゆくと、こうやって違法に中国へとクルマを持ち込む業者が存在するということになり、なかなかに闇が深そうな一件ではありますね。
ちなみに中国はじめいくつかの国では自動車にかかる「関税」が非常に高く、ゆえに高額車両を密輸したり、一応通関させるものの「車両ではなく部品(関税率が下がる場合がある)」として通関させたり、「走行不能車両(税金の基準額が低くなる)」として輸入する場合も。
中国だと3000万円のウラカンが5460万円に
なお、中国でランボルギーニ・ウラカン(日本だと3000万円)に乗ろうと思うと、税金が加算されてその金額5460万円。
こにれは保険を算入していないので、ここに保険を入れると「乗り出しは(日本での)車両本体価格の倍くらい」ということになり、税金を払いたくないという人の心境はわからないでもない、というところ。
さらに中国の場合、ナンバープレートは「クルマ」ではなく「人」に対して交付されるので、一回ナンバーを取ってしまえば、別のクルマへと簡単に「付け替える」ことも可能。
よって「偽造ナンバー」も多いのかもしれません。
これまでにもそういった”税金逃れ”の例は多数報告され、それによって業者は追徴課税が課されたり、車両が没取されてオークションにかけられたり、はたまた破壊されたりといったことが報じられています。
一方で、日本だと自動車の関税は「ゼロ」なので、こういった「密輸」を行う意味がそもそも無く、偽造ナンバーの装着も難しいため、同様の事件の例を聞かないのかもしれません。
VIA:The SUN