| 最近のジンガーでは「前後異なるデザインのホイール」が流行? |
このところあまり話題のなかったジンガー・ビークル・デザイン。
ポルシェ911をレストアする過程で独自のデザインやパーツを盛り込み、その仕上がりが芸術レベルであることが評価されたことで一気にその名を知られるようになったチューナーです。
そのジンガー・ビークル・デザインも早いもので10周年を迎え、今回グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードに3台のスペシャルモデルを持ち込む、と発表。
一台目は「マルホランド・ドライブ」
まずは以前にも公開された「マルホランド・ドライブ」。
ボディ全体にマルホランド・ドライブ(ロサンゼルスにあり、多くのカーブを有することで知られる)の地図を描いているのが特徴です。
ただ、今回の「マルホランド・ドライブ」は以前に公開されたときから仕様が変更されており、フロントホイールが「フックス風」のデザインへ(以前は前後ともRSワタナベ風のホイールだったが、今回は後ろだけ)。
リアスポイラーはどうやら「リトラクタブル」ではなく、この角度での「固定式」のようですね。
スポイラーの上面は「ルーバー」がないという珍しい仕様を持っています。
リアウインドウには(ウインドウ固定用の)ストラップ付き。
なお、ジンガーのカスタムする911の多くには「PORSCHE」文字が大きく入るのが特徴です。
フロントフードはクイックリリース式で、フューエルフィラーキャップはフード中央へ。
ウインドウの固定方法など、細かいところが変更されているようですね。
二台目は「サセックス」
そして二台目は「サセックス」と命名されたモデル。
ジンガーのリリースする911には、いずれもこういった地名が与えられているようですね。。
ボディカラーは「アタックグレー」、リアとサイドの「PORSCHE」文字はボディカラーとトーンをあわせたステルス仕様(前後バンパーにも同じカラーのラインが入る)。
ヘッドライト、テールランプは「純正のように」見えますが、レンズ内を見ても分かる通りジンガーのオリジナルとなっています。
なお、ブレーキはブレンボ製で、ローターはカーボンセラミック製だそう。
この「サセックス」は日常的よりもサーキットでの走行を前提にカスタムされていることが特徴だそう。
そのためかエアコン、オーディオは軽量化のために取り除かれ、防音や制振材すらも省略されているようですね。
インテリアは全体的にジンガーが得意とする「編み込みレザー」を使用したもので、全体をブラックで統一。
シフトノブはポルシェ917(レーシングカー)にインスパイアされた、カリンとバルサとの複合材。
ドアミラーは(ドアスキンではなく)フロントサイドの三角窓に直接取り付けられるという一風変わった仕様です。
エンジンは4リッター・フラットシックス。
エンジンフードに挿入された、ホールが穿たれたアクリル板もジンガーならでは。
こういった「普段見えない」ところにまでこだわるのがジンガー流。
フロントフードのヒンジも専用品へと交換されているようですね。
燃料キャップももちろん専用品。
「FUEL」文字はエンボス加工され、キャップ下部にはマットブラックのグリップも。
シート形状はフルバケット。
リアシートも編み込みレザー+アイレットが使用されています。
3台目はジンガー「DLS」
そして3台目のジンガーは「DLS」のテストカー。
「DLS」とは「ダイナミクス・アンド・ライトウエイト・スタディ」の略で、ジンガー・ビークル・デザインがエンジンや車体を再設計したもの。
とくにエンジンは長年ポルシェでレーシングカー用エンジンを手がけてきたハンス・メツガー氏の設計となり、その他の開発パートナーはウィリアムズ・アドバンスト・エンジニアリング、ボッシュ、ブレンボ、ミシュランなど。
エンジンは自然吸気4リッターフラットシックスで、レブリミットは9,000回転、出力は500馬力と言われます。
開発にかかったのは4年と(昨年)報じられ、しかし未だに開発中ということは、それだけ開発が難しいのか、もしくは「こだわり抜いているのか」ということになりそうですね。