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アルピナは「i8のアルピナ版」を実際に試作し発売を考えていた!しかしBMWはそれを許さず”お蔵入り”に

2019/07/14

| BMWはあくまでもiブランドを”環境に優しい”ままにしたかった |

今回、Jalopnikが報じたところによると、なんとアルピナが自社からBMW i8を発売する可能性もあった、とのこと。

これはアルピナの重役、アンドレアス・ボーヴェンシーペンが同メディアに語った内容だとされ、もともと3気筒ターボエンジンを積むi8のサブフレームを加工し、4気筒ターボエンジンを搭載することで、460馬力を発生するプロトタイプを製造した、と報じています。※標準のi8は362PSを発生

アルピナ版i8はアグレッシブ過ぎた

そしてアルピナはこのi8に自社のホイールを装着し、新しくデザインしたフロントスプリッターとリアウイングとを取り付けた状態でテストを開始したそうですが、BMWはアルピナに対してこの「アルピナ版i8」を作らないように説得。

その意図としては「ブランドイメージ」にあったとされ、BMWはアルピナがカスタムしたi8に装着されていた、アグレッシブなエキゾーストシステムに懸念を示したようですね。

なお、i8はBMWが肝いりで立ち上げたエレクトリックブランド「i」におけるフラッグシップであり、サステイナブル、そしてエレクトリックがiブランドの「核」。

そしてクリーンであるはずのi8がそういった「迫力ある」エキゾーストを装着するのはBMWとしては許しがたかったのかもしれません。

実際にBMW自身は「iブランドはパフォーマンスを追求するわけではない」とし、i8のMモデルについてはその発売を頑なに拒んでいて、やはり「i8とスポーツ走行性能追求」とは相容れないものだと考えていたのでしょうね。

アルピナはこんな会社

なお、アルピナは「チューナー」だと思われている節があるものの、実際にはちゃんと認可を受けた「自動車メーカー」。
BMWから「パーツ単位で」供給を受け、自社品質にて組み立てを行いますが、トランスミッションや足回りには独自のパーツを使用することで、高い走行性能そして優れた快適性を両立させることでも知られていますね。

よってアルピナはBMWとは別の自動車メーカーということになり、日本においてはBMWジャパンではなく「ニコル・オートモビルズ」が輸入代理店を努めます。

購入自体はBMWのディーラーでも可能だそうですが(すべてのディーラーで購入可能かどうかはわからない)、BMWよりも高い価格設定を持ち、そのために販売台数もかなり少ないというのが実情です(アルピナを購入する人は、本当のお金持ちで、モノの価値がわかる人だと思う)。

アルピナは、かの「M1」をBMWから引き取って生産する可能性もあった

BMW M1は1981年にその生産を終了していますが、その際BMWは、アルピナに対して「M1の生産を引き取って継続してほしい旨」オファーしていた、という事実も最近明らかに。

両社の間ではかなり現実的な話し合いが持たれたようで、アルピナ側はホイールベースの延長など具体的な改良点を挙げ、本気で生産を考えたようです。
ただし変更点の多さと利益を考えると採算に乗らないという判断で生産を見送った、とのこと。

加えて車両価格も7000万円オーバーになりそうだとのことで「誰も買わないだろう」という判断もあったようですね。※当時の7000万円なのでかなり高価

BMW M1は中古市場でも人気が高く、オークションでも「億」という値がつく数少ない車の一つ。
BMWがスーパーカー・ビジネスに参入しようと計画し発売した車で、3.5リッター直6を搭載し277馬力を発生し、5速MTを介して0-100キロを5.5秒で走ります。

なおミドシップ・スーパーカーの開発はBMWにとって未知の領域だったため、開発をランボルギーニに委託したことも有名。

BMWはランボルギーニの動きが遅かったため、ランボルギーニごとM1プロジェクトを買い取ろうとしたとも言われますが、BMWは過去に「X5開発のためにランドローバーを買収」したこともあり、技術移転のために会社を吸収する傾向が昔からあった、ということもわかります。

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