
| さすがはBMW、ライバルが「見向きもしない」市場であってもチャンスを見出す |
世界的に見ても「エレクトリック」4座オープンは珍しい
オープンカー(カブリオレ)ファンにとって近年は寂しいニュースが続いており、というのもアウディがラインアップの整理に伴い「A5 カブリオレ」の歴史に幕を下ろし、メルセデス・ベンツもCクラスとEクラスのカブリオレを統合してCLEへと集約するなど、伝統的なDセグメントの4座オープンカー市場が縮小の一途をたどっていたところだから。
しかしBMWはその逆を行く選択をしたというのが今回のニュースであり、次世代EV専用プラットフォーム「ノイエ・クラッセ(Neue Klasse)」をベースに、なんと全電動の「i4 カブリオレ」を開発中であることがスパイショット(残念ながらここでは紹介できない)によって初めて明らかになっており、ここは「さすがBMW」というところかもしれません(今ある市場に向けた製品を投入するのではなく、製品によって市場を開拓する)。※上の画像はAIによる生成
つまるところ、ライバルのアウディA5がすでに捨て去ってしまった「風を感じて走るオープンエアの歓び」を、BMWはEVという新しいパワートレインで存続させようとしているというのが直近の状況であり、開発が進む「i4 カブリオレ」の最新情報、そしてこの挑戦が意味する市場へのインパクトについて考えてみましょう。
この記事の要約
- BMW「i4 カブリオレ」のテストカーが初スクープ:次世代プラットフォーム「ノイエ・クラッセ(Neue Klasse)」を採用する電気自動車(EV)オープンモデルが初捕捉。
- アウディA5(旧A5カブリオレ)との決定的な差:ライバルのアウディがA5のモデルチェンジでカブリオレ(オープンモデル)を廃止する中、BMWはEVで4座オープンモデルを継続投入。
- 伝統の縦長グリル脱却と新デザイン:巨大なキドニーグリルから、クラシカルかつモダンなノイエ・クラッセ世代の横長スリムフェイスへ一新。
- バッテリー構造による剛性向上:床下バッテリーが補強材の役割を果たし、ボディ剛性の向上と広々とした後席レッグスペース・ラゲッジ容量の両立を実現。
縦長グリルからの脱却。ノイエ・クラッセがもたらす新しいBMWの顔
路上で初めて捕捉されたプロトタイプ(開発テストカー)は、現行の「i4 グランクーペ」や「4シリーズ」とは一線を画すスタイリングを備えていて、最大のトピックはそのフロントフェイス。
現行4シリーズで賛否両論を巻き起こした「超巨大な縦型キドニーグリル」は姿を消し、次世代EVセダンである「i3」と同様の”ノイエ・クラッセ特有の”横長で洗練されたグリル&ヘッドライトデザインへと刷新されており、テストカーのヘッドライトは開発初期段階特有の汎用品(HIDスタイル)が装着されているものの、市販モデルでは最新のLEDサインを備えたシャープなフロントマスクへと進化する予定です。

Image:BMW
「重くて剛性が落ちる」オープンEVの弱点を克服するパッケージング
オープンカーは屋根を切り取る構造上、ボディ剛性を保つためにフロアまわりに重い補強材を追加するのが通例であり、これが重量増と室内空間の圧迫(後席やトランクの狭さ)を引き起こすことになるのですが、しかし「i4 カブリオレ」ではEV専用プラットフォームが(幸いにして)その常識を覆すことに。
- 床下バッテリーが補強材に:車体底面に敷き詰められた高剛性なバッテリーパック自体が構造部材として機能するため「もともと」車体剛性が高く、補強材を最小限に抑えながら極めて高いボディ剛性を確保可能
- 居住性とラゲッジの改善:「スケードボード型」シャシー、ロングホイールベースのメリットにより、従来の4シリーズ カブリオレよりも後席レッグスペースが拡大し、実用的なトランク容量が確保される可能性が大
なお、ルーフ構造には、現行モデル同様に軽量でスタイリッシュなファブリック製ソフトトップ(布製屋根)が継続採用されており、シャープなイメージのノイエクラッセデザインに「クラシカルな」ソフトトップをどうマッチさせるのかにも注目が集まります。
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車種概要・スペック・特徴
現時点で判明している情報および、同じノイエ・クラッセ構造を採用する次世代「i3」の基本スペックから推測される概要は以下の通りとなっていて・・・。
「BMW i4 カブリオレ(仮称)」予測スペック一覧
| 項目 | 予測・判明しているスペック・仕様 |
| プラットフォーム | 800V電化対応「ノイエ・クラッセ(Neue Klasse)」EV専用基盤 |
| ルーフ構造 | 電動ファブリックソフトトップ(布製電動キャンバストップ) |
| 乗車定員 | 4名(後席レッグスペース拡大) |
| パワートレイン | ・シングルモーター(RWD / 約300ps〜) ・デュアルモーター「xDrive」(AWD / 約463ps〜) ・クアッドモーター(ハイパフォーマンスMモデルも視野) |
| バッテリー・駆動システム | 第6世代円筒形バッテリー(急速充電性能・航続距離の劇的向上) |
| 予想航続距離 | WLTPモードにて 600 km 〜 700 km 前後(オープン化による空力ロスを補う超高効率バッテリー) |
| 正式発表予定 | 2027年〜2028年頃 |
競合比較および市場での位置付け
世界の自動車市場において、「エレクトリック」クロカンやSUV、セダンは次々と誕生しているものの、「高級4座オープンEV」というジャンルはほぼ空白地帯(ブルーオーシャン)です。
主なオープンEVモデルとの立ち位置比較
| モデル名 | タイプ・特徴 | 市場での立ち位置 |
| BMW i4 カブリオレ | Dセグメント・本格4座オープンEV | アウディA5カブリオレの事実上の後継需要を独占。日常使いできる実用性と走りの楽しさを両立。 |
| マセラティ グランカブリオ フォルゴーレ | 超高級ラグジュアリー4座オープンEV | 2,000万円オーバーのハイエンド超高級市場。直接の競合ではなく格上の存在。 |
| MG サイバースター | 2シーター・ライトウェイトEVスポーツ | 2人乗りのピュアスポーツ。ファミリーや4人乗りを求める層とは重複しない。 |

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アウディがA5でカブリオレを廃止し、ガソリン車のプレミアムオープンモデルが急速に姿を消す中、BMWが早期にi4 カブリオレを投入することで「4座オープンカーに乗り続けたい」と願う世界中のコアなファン、そして「電動パワートレインを積む4座オープンが欲しい」という層を一手に引き入れる戦略的アドバンテージを得ることになり、ここはBMWの「攻めの姿勢」を改めて感じさせられるところでもありますね。
なお、BMWはずいぶん前から「将来的にプラットフォームは1つに集約される」「プラットフォームが(スケートボード型に)集約されることで様々な展開がより早く、より多くできるようになる」とコメントしており、モデルラインアップの拡充という点においても「ノイエクラッセ」の利点が十二分に発揮されることとなりそうです(やはりBMWは先見の明があった)。
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結論:静寂と風を楽しむ、EV時代の新しいオープンエア・モビリティ
「EVの成長スピード鈍化」が囁かれる現代の自動車市場において、わざわざ需要の限られる「オープンモデルのEV」を開発することは一見リスキーに思えるかもしれません。
しかし、BMWは「i4」や「iX」を早期に投入して大成功を収めた経験があり(ただしXMでは大きく外した)、アウディやメルセデス・ベンツが撤退した「2シーターオープン」市場においても”選択肢を残し続けた”という実績も。
さらには電動版M4の開発を通じてEVにおけるハンドリングと走りの歓び(駆けぬける歓び)を追求する技術には絶対の自信を持っているものと考えられ、エンジン音のない静寂の中、モーターの力強いトルクを感じながら風を切って走る――。アウディA5が諦めざるを得なかったオープンエアの未来を、BMWは「i4 カブリオレ」という最高の形で現実のものにしようとしている、というわけですね。
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