| 理想的な5速MT、フルノーマル。この機会を逃せば、これ以上程度のいい個体は出てこないかも |
米自動車売買サイト、「Bring A Trailer」にて、ホンダ(アキュラ)NSXがオークション形式にて販売中。
もうじき終了を迎えますが、現在の価格は400万円ほど。
もちろんまだまだ上昇するはずで、最終的には驚くほどの額になるだろうと思われます。
このNSXは新車時にカナダへと輸入され、そのままオーナーのコレクションへと追加されて2018年まで「ワンオーナー」。
その後現在のアメリカのオーナーの元へとやってきた、と出品時の記載にあります。
ホンダNSXの車高は驚くほど低い
ホンダNSXは1990年に登場し、日本国内では当時の自主規制枠ギリギリの「280馬力(MT)」というスペックを誇ります。
ボディサイズは全長4430ミリ、全幅1810ミリ、全高1170ミリ。
今となっては「比較的コンパクト」なサイズとも言えますが、この前高は相当に低く、ランボルギーニ・ウラカンの1165ミリとほぼ同じで、マクラーレン720Sの1195ミリよりも低い数字です。※フェラーリ488GTBは1213ミリ
この「リアウイングとリアフェンダー、テールランプが一体化」したデザインは初代NSXの特徴の一つであり、これはできれば新型NSXでも継続してほしかったと思う部分。
発売当初は「リトラクタブルヘッドライト」を採用しておりいわゆる「Ⅲ型(2001-2006年)にて固定式へと改められています。
NSX発売当初のホイールサイズはフロント15、リア16インチ。
タイヤがフロントで205/50R15、リアは225/50R16。
フロントトランク内にはスペアタイヤ。
つまりフロントには何も物が入らない、ということになりますね。
エンジンは3リッターV6、270HP。
搭載位置は「ミッド」で、リアウインドウの下あたりに「横置き」。
こちらはエンジンの後ろにあるリアトランク。
このリアトランクについては諸説あり、「営業サイドが”リアトランクが無いと売れない””ゴルフバッグを載せる必要がある”と主張したためにリアトランクを設け、そのためにリアオーバーハングが長くなった」とも。
ただ、これについてはホンダが否定しており、リアオーバーハングの延長は、空力性能(高速安定性)の向上、そしてエンジンルーム内の隙間を広く取り、冷却性能を向上させるためであったと説明されています。
ホンダによる純正バッグも付属(未使用)。
こういった製品があったとは全く知りませんでしたが、ちゃんとホンダロゴが入り、サイズもNSXのトランクに「ぴったり」収まっています。
そしてトランク底部には車載工具。
スペアタイヤを搭載しているものの、パンク修理キットも付属しているようですね(前後でタイヤサイズが異なり、スペアタイヤが前か後ろか片側にしかしようできないか、それとも法規の関係か)。
1990年式 ホンダNSXのインテリアはこうなっている
こちらは今回売りに出されているホンダNSXのインテリア。
ブラックを基調としており、レザーシートやクルーズコントロール、カセットデッキ(まだCDは普及していない)、そしてもちろんエアコンも装備。
全体的に見てかなりきれいな状態ですね。
シートやドアインナーパネルにレザーは「ギャザー」が用いられ、「高級感」を演出しているということもわかります。
なお、トランスミッションは5速MT。
アームレストには「DOHC VTEC」のバッジが誇らしげに輝きますが、当時VTECは登場したばかりのホンダ自慢の技術であり、DOHCもまだまだ珍しかったため(NSXは当初、SOHCエンジン搭載を想定していた)。
もともとはカナダ向けに販売されたので、スピードメーターは「マイル」ではなく「キロ」表示。
スケールは280km/hまで刻まれています。
なお、走行距離は10,460キロ。
スカッフプレートにはシリアルナンバー入り。
内装各部、このスカッフプレートの状態を見ても、かなり大事に乗られてきたであろうことがわかります。
こちらは付属する書類やカタログなど。
初代ホンダNSXは2006年まで販売が継続され、その後に後継モデルが企画されるも、2008年に起きた「リーマンショック」にてその計画が潰えることに(その前の2003年にも後継モデル開発がスタートしたものの、バブル崩壊にて頓挫)。
さらに時を経て現行NSXに繋がる「新型NSX」の企画が立ち上がるものの、こちらはエンジン搭載方法など様々な問題そして紆余曲折があって開発が難航し、ようやく2016年に発売にこぎつけています。