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VWが3.6年分の販売台数に相当する17万台規模のリコール実施。ゴルフは5.7万台、ポロは5万台が対象となり「最悪の場合は走行不能」

2019/08/21

| フォルクスワーゲン自慢のDSGに不具合発生 |

フォルクスワーゲンが176,068台にもおよぶ大規模リコールを発表。
なお、フォルクスワーゲンの2018年における販売台数は通年全モデルで49,036台なので、この176,068台は「3.6年分」の販売台数に相当する、ということですね。

なお、リコールの内容としては「DSG(デュアルクラッチ変速機)」のパーツ強度が不足しており、最悪の場合は走行不能になる、というもの。

対象となるモデルはシロッコ、ポロ、クロスポロ、ジェッタ、ゴルフ、ゴルフカブリオレ、ゴルフヴァリアント、トゥーラン、パサート、パサートヴァリアント、CC、ビートル、ビートル・カブリオレ(もちろん、トルコンAT搭載モデルは対象になっていない)。
輸入期間も平成20年4月28日~平成28年3月14日、と広い期間にまたがっています。

修理にはけっこうな手間がかかりそう

今回のリコールについて、不具合そのものの発見の動機は「市場からの情報による」。
つまり「本国からの情報」ではなく、日本国内のユーザーから不具合報告として上がってきた内容からこの問題を知った、と考えて良さそう(ということは、本国ではリコール扱いになっていない可能性も)。

そして発生した不具合の数は1,648件と多く、しかし幸いなことにこれに起因する事故はゼロ。

内容としては下記の通りで、対策としては「全車両、アッパーハウジングの製造ロットを確認し、該当する場合はアッパーハウジ ングを対策品に交換する。」

7速DSG型自動変速機のメカトロニクスにおいて、アッパーハウジングのねじ切り 加工が不適切なため、耐久性が不足しているものがある。そのため、アキュムレータ ーの継続的な油圧変化による疲労の蓄積により、アッパーハウジングに亀裂が発生し、油圧が低下して、最悪の場合、駆動力が伝達されず走行できなくなるおそれがある。

国土交通省

なお、「トランスミッションのアッパーハウジングを確認する」となると、その部位や構造によっては「トランスミッションを下ろす必要あり」。
よって、このリコールには相当な手間と費用がかかるということになって、フォルクスワーゲンにとっては相当な痛手となりそうです(もちろんPL保険でカバーできるとは思われるが、来年度の保険料がドンと上がる)。

「DSG」はフォルクスワーゲンの誇るトランスミッションではありますが、それがこういった事態を招くのはVWにとっても不本意だと思われ、かつ「新しい」デバイスの投入には必ずリスクが伴うこと、そのためか「新しい技術の導入には積極的ではない(使い慣れたものが安全と考えている)」メーカーが存在することも頷けるような気もします。

なお、台数としてもっとも多いのはゴルフで、その数は57,299台(ゴルフカブリオレ、ゴルフヴァリアント含まず)。
次に多いのはポロの50,559台(クロスポロ含まず)ですが、けっこうポロは売れてたんだな、という印象ですね。

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