| BMWのハイパフォーマンスカーの歴史を語る上では絶対に外せない |
歴史に残る名車といえるBMW 3.0CSLシリーズ2、通称「3.0CSLバットモービル」が米中古車売買サイトBring A Trailerに登場。
これは1974年モデルで、シリーズ2は57台が生産されたと言われますが、この個体はそのうちの一台をレストアしたもの。
CSLとは「Coupe、Sport、Lightweight」をあらわしており、3.0CSLは1971年に発売された3.0CSを大幅に軽量化した、ツーリングカー選手権参加のためのホモロゲーション取得用モデル。
ボンネットや左右のドアをアルミにするなど現代の「M」にも通じる手法を採用するほか、ルーフやノーズ部分のパネルの厚みを削ったり、サイドウインドウをアクリル製に、そして前後ウインドウは薄肉化するなどの手法を取り、車体重量は1,365キロから1,165キロへ。※このプロジェクトを牽引したのは、クライスラー・プロウラーや、ダッジ・ヴァイパーを発売したボブ・ルッツ
| フロントバンパーの重量はわずか2キロ |
「シリーズ2」は1972年に登場していますが、シリーズ1に比較しフロントスポイラーが大きくなり、巨大なリアウイングを取り付け、ボンネット上にはフィンを追加。
なお、3.0CSLはシリーズ3までが発売されていますが、こちらはリアにオーバーフェンダーを装備し、リアウイングの代わりにトランクリッドスポイラーが装着されています。
なお、この3.0CSLは「初代CSL」としても知られ、BMWはこのクルマを重要な資産だと位置づけています。
実際に2015年には、コンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステにて「3.0CSLオマージュ」を発表していますね。
そしてこの3.0CSLオマージュを見ると、フロントフェンダー上にはフィン、リアには大きなウイングが取り付けられており、3.0CSLのうち、「シリーズ2」を強く意識していることもわかります。
さらにBMWは「CS」「CSL」を今後拡充させるとのコメントも発表しており、その元祖となる3.0CSLは今後その価値を上昇させるのかもしれません。
そこで今回の3.0CSL”バットモービル”ですが、シリーズ2に装着される大型フロントスポイラー、リアウイングが映画「バットマン」に登場するバットモービルを連想させることからそう呼ばれており、もちろん正式名称ではなく、これは「愛称」。
ボディカラーは4台のみしか製造されなかったという「タイガ・グリーン」。
とにかく軽量化を優先してつくられており、カーペット、車体の防錆加工までも簡略化されるという徹底ぶりです。
そしてやはり軽量化のためにボンネット、トランクのラッチまで外され、「ボンピン」による固定へと改められています。
まさにこのウイングは「バットモービル」。
現在のオーナーはこの車両を購入後、ボディペイントを含むレストアを行っており、オリジナルのボディカラー「タイガ・グリーン」への再ペイントほか、「バットモービル」エアロキットもしっかり再現。
なお、走行距離は74,000キロを指している、と紹介されています。
こちらがフロントフェンダー上の整流用フィン(ブラックのパーツ)。
エンジンはもともと3リッター直6ですが、現在のオーナーは4年前に3.5リッターへとエンジンを換装済み。
さらにこの3.5リッターエンジンは、もともと3.2リッターだったものをテリー・ティニー・パフォーマンス・モータースがボアアップしたもので、しかしエンジンも近い年式の「1973年製」を選んでいる、とのこと。
組み合わせられるトランスミッションは4速マニュアル、そしてLSDも装着済みです。
BMW 3.0CSLバットモービルのインテリアはこうなっている
この3.0CSLのインテリアも外装同様に美しくレストアされ、まさにコンクールコンディション。
実際に2015年の「レジェンド・オブ・アウトバーン」にて最優秀賞を獲得したことがあるほか、2019年のサンマリノ・モータークラシックでは3位に輝いている、とのこと。
販売自体はオークション形式が取られ、2日を残して現在の最高入札価格は1400万円ほどとなっています。
VIA:Bring A Trailer