｜ スマートフォンの画面上での表示やEVに使用することを考え、見やすく覚えやすく ｜
フォルクスワーゲンが、かねてより予告していた「ロゴの変更」を発表。
最近まで使用していた「立体的で陰影のある」ものからフラットな2Dスタイルへと改められています。
加えて「使いやすい」ことについても配慮しており、スマートフォンなど小さな画面でも視認性が高く、さらに今後は車両にこのエンブレムを使用してゆくのはもちろん、これを「光らせる」ことを考えている、とのこと。
なお、こちらが「これまでの」ロゴ。
たしかにこれを光らせるのは難しそうですし、解像度の低いモニターだと完全に表現するのは難しそう。
すでにフォルクスワーゲン本社のロゴは変更済み
なお、フォルクスワーゲンがロゴを変更するのには様々な理由があると思われるものの、最も大きなものは「失った信頼の回復」だと思われます（それを前面に押し出すわけにはゆきませんが）。
ディゼール不正事件で損なわれた企業イメージを一新する、というわけですね。
ただ、ロゴの変更は言うほど簡単なものではなく、まずフォルクスワーゲンは昨夜のうちに「本社に掲げているロゴ」を変更。
そして来年半ばまでには、世界中で使用されているロゴすべてを変更させること、そしてこれは「最も大きなプロジェクトの一つ」だと語っています。
世界で約1万件のディーラーが対応に迫られる
実際のところ、店舗の前に掲げるロゴ、店舗の中に使用されているロゴ、名刺や封筒、各種印刷物に配置されているロゴ、制服やバッジ、備品など「すべて」入れ替える必要があり、かつ店舗で販売しているグッズなどの在庫処分も必要に。
加えてウエブサイトの修正を行う必要も出てきます。
フォルクスワーゲンによると、現在154の国で約10,000件のディーラーを展開しており、主要なものだけでも7万ものロゴを変更する必要があるそうですが、実際には「もっと多くの」変更、それにともなう廃棄も生じるわけですね。
なお、これらにかかる費用は基本的に「ディーラーの負担」であり、このとんでもない費用を各ディーラーが泣く泣く支払わねばならない、ということになりそうです。
新しいVWロゴは非常にシンプル
そして新しいロゴにはこういった意味・意図があり、たとえば「クリヤーでシンプル」「フレキシブル」「コントラスト」「使いやすい」。
ロゴがシンプルなのに対して、このロゴを決定するまでのプロセスは非常に複雑で、19のチーム、17の代理店を駆使してロゴを検討し、候補を絞り込んでいったようですね。
こちらはほかの色との組み合わせにてコントラストを表したもの。
ブルーを使用しているのは、一般に「ブルーは誠実さを表す色」だからだと思われます（この状況で、赤やオレンジといった”ハイ”な色は使えない）。
フォルクスワーゲンはこの新しいロゴを「サウンドロゴ」と表現し、フォルクスワーゲンブランドを、クルマとコミュニケーションにおいて音響的に特徴づけると述べていますが、おそらくは今後様々な場面でこのロゴと「音」とが一緒に使用されることになるのでしょうね（たとえば車両に装備されるインフォテイメントシステムの起動画面など）。
なお、最近のTVCMでもブランド名と音とを結びつける企業が増えていますが、これによって「その企業・ブランドを人々が記憶する確率が3倍になる」とも言われます。
なお、このロゴの決定プロセスにおいて重要な役割を果たしたのはVWのチーフデザイナー、クラウス・ビショフ氏。
「e-モビリティにおける、情熱的なプレゼンテーションを行うプラットフォームを構築した」とも語っており、主にフォルクスワーゲンのEVシリーズ「ID」への使用を前提にデザインされたであろうこと、そしてIDにおいてはアニメーションやサウンドとともにこのロゴがアピールされることになりそうですね。
もちろんこの他の新型車にもこのロゴが採用されることになると思われ、近々発表が予定されていると報じられる新型ゴルフ、「ゴルフ8」にもこのロゴが採用されることになるのだと思われます。
こちらはそのロゴを表示する手法を紹介する動画。
こちらはこれまでのフォルクスワーゲンのロゴの変遷（ナチスっぽい時代もあった）。