| フォルクスワーゲンは、なんとしても過去の「ディーゼル不正事件」の影響から脱したい |
しばらく前に、ロゴ(エンブレム)を変更する、と発表していたフォルクスワーゲン。
ロゴの変更理由については「スマホ対応」「時代に合わせて小さな画面でも見やすく、かつシンプルで覚えやすく」と言われますが、なんだかんだ言って「ディーゼル不正事件の印象を拭いたい」というのが大きいんだろうな、と思います。
なお、日本におけるディーゼル不正事件の影響は一時的。
しかし、当時日本にはディーゼルモデルが入っていなかったのに、”ディーゼル”不正事件によるフォルクスワーゲン全体の販売下落率が世界で最も大きな部類だったと言われるほどの「謎現象」が発生したのも記憶に新しいところ。
これはつまり、日本だと「VW」は輸入車ということでプレミアムブランド的扱いを受けており、しかしディーゼル不正事件にてそのイメージが低下したため「(プレミアム)イメージで買われていた」状況が一気に崩れたのだと思われます(つまり日本では、VWは実用車ではなく、プレミアムカー扱い)。
逆に日産やスバルは日本では「実需で買われている」のだと思われ、これらに検査不正が報じられた際にはほとんど販売に影響がなかったようですね(実需で購入しているので、イメージを気にしない)。
「フォルクスワーゲン」はもともと「大衆車」という意味
なお、フォルクスワーゲンという社名そのものがドイツ語で「大衆のクルマ」という意味であり、これがあらわすとおり欧州では実需で購入されているので日本ほど(”率”では)販売が落ちなかった模様。
しかし欧州ではVW関係者に幅広く逮捕者が出るなど大きな社会問題となっているため、フォルクスワーゲンはこのイメージをなんとか変えたく、経営陣を一新するなどその信頼回復に躍起となっています。
もちろん「エンブレム変更」もその一貫ということになりそうですが、実際に発表されるのは9月のフランクフルトモーターショーの場だとされ、同時にスローガン「Das Auto.」も変更される模様。
現在のところ新しいロゴとスローガンについては未公開ではあるものの、ロゴについては、スマートフォンで見やすいように「3Dから2Dに」変更され、「より大胆に、よりカラフルになる」と言われています。
ただ、「カラフル」とは言っても印刷物等では白黒にて対応する必要もあり、色は補佐的なもの(つまりティファニーのように色がメインの構成要因ではない)なのかもしれません。
ちなみにこちらが、これまでのフォルクスワーゲンのロゴ変遷。
フォルクスワーゲンに限らずですが、創業当時はシンプルであったものが複雑化し、さらに立体化して影もつき、しかしその後にまたシンプルになる、というのは最近のひとつの傾向のようですね。
ちなみに最近目撃されている「新型ゴルフ(8)」に採用されるVWエンブレムは、これまでに用いられていたVWロゴとはやや異なるフォントを持っており、これが「新しいロゴ」だと見る向きが多いようです。