| 予想外のルックスで出てきたが、それはGクラスやジープと競合しないため? |
新型ランドローバー・ディフェンダーがついに発表。
先代(初代)ディフェンダーは1983年に登場し2016年まで生産されたロングセラーモデルですが、現在でも中古市場では高い人気を誇るクルマのひとつ。
(モデルチェンジまでが長い、従来型の人気が高いという)状況としてはメルセデス・ベンツGクラスとよく似ており、しかしランドローバーのデザイナー、ジェリー・マクガバン氏はモデルチェンジに際してGクラスとは異る方法を採用したようです。
つまり、「全く新しい」デザインに切り替えてきた、ということですね。
新型ディフェンダーのルックスはオフローダーにしては「キュート」
新型ランドローバー・ディフェンダーはメルセデス・ベンツGクラス、ジープ・ラングラーあたりがライバルとなる「ヘビーデューティーなオフローダー」(おそらくは新型フォード・ブロンコも)。
道なき道を走破することを目的として開発されているクルマですが、パっと見たデザインはワイルドというよりも「キュート」。
もしかするとライバルたちが「あまりにイカツい」ルックスを持つため、あえてそれらとは異なる路線を選んだのかもしれません。
新型ディフェンダーのボディサイズは「90」「110」「130」の3種類あり、今回発表されたのは90と110(基本的な違いはボディの長さ)。
両者とも共通し、フロントからサイドにかけて一直線に走る「ショルダー」ライン、そしてストンと切り落としたリアエンド、ルーフサイドにある「窓」は初代ディフェンダーから引き継いだ意匠でもありますね。
フロントフェンダーサイドのパネルはレンジローバー、そして樹脂製のフェンダーアーチ上部のカッティングはレンジローバーイヴォークと同じ形状を持ち、ランドローバーグループ各モデルとの共通性も見られます。
ディフェンダー90のボディサイズは全長4,323ミリ、全幅1,999ミリ、全高1,927ミリ、ホイールベース2,587ミリ。
幅はともかく、全長はかなり短い、と言えますね。
ランドローバー・ディフェンダー110はこんな感じ
こちらはディフェンダー110。
5ドアボディを持ち、そのイズは全長4,758ミリ、全幅1,999ミリ、全高1,916ミリ、ホイールベース3,022ミリ。
そしてエンジンラインアップは下記の通り(どの市場にどのエンジンが導入されるかは各国での発表を待つしかない)。
エンジンはジャガーE-ペイス、レンジローバー・イヴォークと共有しており、その国に入っているエンジンを見れば、おおよそ「導入される」エンジンがわかるのかもしれません。
ガソリンエンジン ・2リッターターボ・・・237馬力(P240) ・2リッターターボ・・・296馬力(P300) ・3リッターターボ・・・394馬力(P400)※このエンジンのみハイブリッド ディーゼルエンジン ・2リッターターボ・・・197馬力(D200) ・2リッターターボ・・・237馬力(D240) ・3リッターターボ・・・296馬力(D300) |
駆動方式はもちろん4WDで、マニュアル式のセンターロックデフ、そしてオートロック機構付きのリアデフを装備。
なお、新型ディフェンダーはドイツのサーキット、ニュルブルクリンクにおいてもテストを行っていたことでわかるとおり、オフロード性能に加えて「オンロード性能」も重視し、快適性が高められているのも大きな変更点。
新型ディフェンダーのオプション、グレードは?
新型グレードは上から「X」「HSE」「SE」「S」「スタンダード」で構成され、ホイールやヘッドライト、インテリアの装備(シートやオーディオ、トリムなど)がそれぞれ異なります。
なお、LEDヘッドライトはベースモデルにも標準装備され、上位グレードになると「プレミアムLED」や「マトリクスLED」が与えられるようですね。
さらに「エクスプローラー」「アドベンチャー(6.5リッターのウォータータンクやホース、コンプレッサーが含まれる)」「アーバン(スペアタイヤカバーが装備されるなどオシャレに)」「カントリー(室内の収納が充実)」といったパッケージが用意され、オプションはディフェンダー90/ディフェンダー110発売時の時点ですでに「170アイテム」。
画像を見ても、シュノーケルやルーフラック、ボディサイドに取り付けるパニアバッグのようなものまで見られ(これは”エクスプローラー”に含まれる)、今後さらに増えくのま間違いなさそう。
ランドローバー・ディフェンダーのオフロード性能は「世界トップクラス」
新型ディフェンダーのオフロード性能はもちろん「先代以上」。
エアサスを装備し、最低地上高は29センチを誇ります(メルセデス・ベンツGクラスでも24センチ)。
もちろん車高は調整が可能、とのこと。
アプローチアングルは38度、ブレークオーバーアングルは28度、デパーチャーアングルは40度。
あのジープ・ラングラーでもアプローチアングルは22.6度、デパーチャーアングルは37度なので、いかにディフェンダーの悪路走行性におけるポテンシャルが高いかがわかります。
なお、渡川可能な水深は90センチ(ラングラーは76センチ)だそう。
そのほか、レンジローバー・イヴォークで採用された「透明ボンネット」、つまりちょうど車両のボンネット下に位置する地面をモニターに映し出すことで障害物を把握する「クリアサイトグラウンドビューシステム」も装備しています。
テレインレスポンスが最新バージョンとなり、渡川時に使用すると思われる”Wade”機能が備わったのもトピックのひとつ。
新型ディフェンダーのインテリアはこうなっている
オフローダーと言えども手を抜かない部分が「インフォテイメントシステム」(むしろオフローダーだからこそ必要なのかも)。
ディフェンダーには新しくPivi Proと呼ばれるインフォテイメントシステムが搭載され、10.0インチサイズのタッチスクリーンで操作が可能。
従来のシステムに比較し、50%操作にかかるステップが減少している、とアナウンスされています。
ちなみにインフォテイメントシステムのソフトウエアはWi-Fiを使用して「無線で」アップデートできる、とのこと。
なお、ディフェンダー110は6人もしくは8人乗り、ディフェンダー90は6人乗り。
ディフェンダーならではの構造として、アームレストを跳ね上げるとシートになり、フロントに3人が座れる、という仕組みですね。
フロアはラバー製で、ウォータープルーフなのかもしれません(川を渡る時、クルマが浮かないように水を意図的に入れてクルマを川底に設置させる場合もある)。
インテリアは全般的にシンプル、そしてビスを意図的に見せるなどヘビーデューティーさも感じられます。
ジャガー・ランドローバーのほかのクルマに見られる「ピアノブラック」仕上げは見られず、ディフェンダー独特の仕様を持っているようですね。
現時点ではディフェンダー90/ディフェンダー110の発売時期や価格については不明。
おそらくは間を置かずに発表されると思われるものの、先代ディフェンダーの価格設定や、独自の装備が多いこと、オフローダーとして妥協のない設計を持つことを考えると、「けっこう高いんだろうな」と思います。