| もともとフェラーリは高いカスタマイズ性を持っている |
フェラーリがニューヨークに「アメリカ初の」テーラーメイド・センターをオープン。
フェラーリのパーソリナリゼーション(カスタム)プログラムを”テーラーメイド”と呼びますが、つまるところフェラーリの顧客向けに、様々な要望を実現するためのスペースということになりそうです。
なお、意外なことですが、このニューヨークにオープンしたテーラーメイド・センターは「アメリカ初」とのこと(カリフォルニアではないのもの意外)。
ちなみに、このテーラメイド・センターはこれまでマラネロ(イタリア)と上海にしかなく、フェラーリがいかに中国を重視しているかもわかりますね。
フェラーリは「仕様を決められない」人にもお手伝い
このニューヨークにあるフェラーリ・テーラーメイド・センターは6,600平方メートルもの広さを誇り、常時5台の車両が展示可能、とのこと。
このテーラーメイド・プログラムはフェラーリいわく「限られた顧客を対象としている」とのことで、カラーリングの選択肢は「無限大」。
しかしながら、「あまりに種類が多すぎて決められない」という顧客のために、フェラーリはカスタマイズの基準としてScuderia(スクーデリア=モータースポーツのDNA)、Classica(クラッシカ=伝統)、Inedita(イネディタ=革新)の三つを用意。
たとえばスクーデリアだと、カーボン・ファイバー、スポーツ・ファブリック、スウェード、ラバー、レザー、アルカンターラ、マイクロファイバーケブラー、サテンフィニッシュ、マットメタルといった素材を選択可能だとしています。
そして「クラシカ」だと”歴代フェラーリで使われた優雅なパステルカラーをはじめ、ビンテージ・レザー、ウール、カシミア、ベルベットなどの素材によってキャビンの特定エリアを仕上げると同時に、クロームメッキ・エレメントやレザークッション類のステッチなどの現代的な要素を取り入れ、エクステリアとの雰囲気の最適化”。
そしてイネディタだと”ビビッドなカラー・レザー、流行のテキスタイル、テクニカルファブリックなど、自動車業界での使用が新たに認定された豊富な新素材を使用”することになりますが、こちらは常に新素材や新しい加工が追加されてゆくようですね。
現代は「カスタム」の時代
現在、スーパーカー市場は大きく成長し、ちょっと前とは比較にならないほどの台数が販売されており、そこでスーパーカーオーナーが求めるのが「排他性」。
つまりほかの人とは違うものをということですが、ここにうまく目をつけたのがマクラーレン。
MOS=マクラーレン・スペシャル・オペレーションズなるパーソリナリゼーションプログラムを用意し、カラーリングだけではなく素材やエアロパッケージの変更までにも対応していて、これが北米や中東の富裕層に対して強みを発揮することに。
マクラーレン曰く、現代は(エンジンとシャシーを自動車メーカーで購入し、ボディをコーチビルダーに架装させていた)1920年代に戻ったようだというコメントを発しているほどですが、とにかくそれほどまでにカスタム需要が高い、ということになりそう。
そういった事情を受けてか、ランボルギーニはカスタマイゼーションプログラム「アドペルソナム」、そしてポルシェも「エクスクルーシブ・マヌファクトゥア」を強化しているというのが現状ですが、販売台数を増やすと希少性が下がり、しかし利益を稼がねばならないスーパースポーツカーメーカーにとって、こういったカスタム需要の拡大は、「一台当たりの利益拡大」には歓迎すべき風潮である、とも言えそうです。