| 海の向こうでもマツダ乗りは過激だった |
先日、世界初の「4ローター、AWD(4WD)に改造されたマツダRX-7」を紹介しましたが、今回は「4ローター、1000馬力」のRX-7が登場。
このオーナーはデビッド・マッツェイ氏といい、(ちょっと前の)F1に搭載されていたV10やV8エンジンのサウンドにシビれ、それをなんとか再現できないかと実現のための方法を模索。
しかしF1マシンやそのエンジンを購入するわけにもゆかず、そこで思いついたのが「F1エンジンの次に良いサウンドを発するマツダのレーシングカー、787B同様のサウンドを再現できないか」。
なお、マツダ787Bは1991年のル・マン24時間レースにて優勝を飾っており、4ローターの「26B」エンジンを搭載すること、その素晴らしいサウンドで知られます。
なお、このエンジンの呼称のうち「26」は排気量を表す数字。
つまり654cc×4=2600ccなので26Bということですが(なので2ローターは13B)、デビッド・マッツェイ氏はなんとこのエンジンを入手して自身のRX-7へとスワップすることに。
ローターの数はどうやって増やすのか
ただ、同じロータリーエンジン同士でも簡単にスワップできるわけではなく、ECUはもちろん、ケーブルや燃料システムなどすべてを入れ替える必要が生じた、とのこと。
参考までにロータリーエンジンは一般的な「ピストン」を使用したガソリンエンジンとは異なって、ローター数を後から増やすことが可能。
どうするかというと単純に「ロータリーを足してゆく」ことになり、たとえばこちらが4ローター。
そしてこちらが6ローター。
4ローターに比較して「輪切りになっている層」が増えていますが、これが「ロータリーエンジンの”ローターの増やし方”」。
理論上は積み木のようにどんどん増やせるものの、実際には強度などの問題があり、ほとんどは「6ローターあたりでやめておく」ようです。
ついに彼はマツダ787Bばりのサウンドを手に入れる
そして数々の困難を乗り越え、彼はついに26Bのスワップに成功することになりますが、エンジンルームはこんな感じ。
インマニ、エキマニは当然ワンオフで、排気管はサイド出しとなっています(その周囲には熱対策として金箔が貼ってある)。
ちなみにタービンはGTX5596(98mm)で、つまり”ビッグシングル”。
ロータリー乗りはどうやらドッカンターボが大好きなようです。
そして燃料タンクは車体後部に移設。
リアには巨大なウイング。
インテリアはこう。
Aピラーからルーフ、リアに渡ってゴッツいロールケージが組まれていますね。
センターコンソールにはもはやノーマルの面影なし。
駆動輪は後輪のみなので、当然のように派手なテールスライドを誘発することに。
それにしてもこのエアロの過激っぷりには驚かされます。
ぼくがまだ現役で走っていた頃、「マツダ乗りとだけはバトルをしてはいけない」という風潮があり、それはマツダ乗りは「群れない一匹狼」が多くて真剣に走りを追求しており、かつ腕が確か(でないとマツダには乗れない)、さらにはとことん勝負にこだわるドライバーが多かったため。
どうやら海の向こうでもそれは同じなのかもしれません。
それでは動画を見てみよう
こちらが「4ローター、1000馬力」のマツダRX-7を思いっきりブン回す動画。
そのサウンドはまさにレーシングカーといったところですね。
こちらは完成後にロードアトランタ(サーキット)にてシェイクダウンを行った際の動画。
けっこうピーキーかと思いきや、なかなかに扱いやすいようです。