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GRスープラ販売低迷?欧州にて「4気筒」エントリー版が限定モデルとともに追加される。開発者「4気筒モデルのほうが鼻先が軽く楽しい」

2020/01/15

| おそらくは販売テコ入れではなく、将来的な規制への対応準備という意味合いが強そうだ |

日本市場向けのトヨタGRスープラには2リッター4気筒モデル(SZ/SZ-R)が用意されるものの、これは今まで欧州や北米には導入されておらず(3リッター直6のみの販売)、一部では4気筒待望論があったのも事実。
そして今回、欧州トヨタが「欧州向けに、2020年後半より、GRスープラに2リッター4気筒を導入する」と発表しており、初回限定モデルとして「フジ・スピードウェイ・エディション」を用意する、とアナウンスしています。

なお、富士スピードウェイはトヨタのホームコースでもあり、レクサス「Fモデル」のFは富士スピードウェイから。

4気筒モデルのスープラと6気筒モデルのスープラはどう違うのか

4気筒モデルと6気筒モデルのスープラとの相違は「ほとんどがエンジンの違い」。
車体はほぼ一緒でエンジンが6気筒か4気筒なのかということになりますが、同じ4気筒であってもSZとSZ-Rに積まれる”B48”エンジンは基本的に同一ながらも仕様が異なり、SZでは197PS/32.7kgm、SZ-Rでは258PS/40.8kgm、そして6気筒のRZでは340PS/51.0kgm。

ちなみに馬力だけ見るとSZ/SSZ-Rは「自然吸気エンジンを積む、86の207PS」に劣り、しかしトルクを見ると両者とも86の21.6kgmを超えていて、ここはやはりターボエンジンならではのアドバンテージ(さらにスープラのトランスミッションは8速ATということもあり、体感上は86よりもずっと速く感じられると思われる)。※参考までに車体重量はSZで1,410kg、SZ-Rで1,450kg、RZでは1520kg、86はもっとも軽いモデルで1,210kg

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(スープラの6気筒/4気筒モデルについて)エンジンのほかだとタイヤサイズ、シート表皮、内外装の細かい部分(テールパイプやペダル、オーナメントなど)の相違はあるものの、車体構造は同一、そしてサスペンション形式も全車共通となっていて(SZのみアダプティブサスペンションが装着されない)、つまり持っているポテンシャルは「各グレードとも同じ」ということに。※ブレーキはRZのみブレンボ

これはトヨタが意図したことでもあり、「どのグレードでも走りを楽しめるよう」走りに差をつけていないという配慮だそうで、開発を担当したトヨタの多田哲哉氏いわく、むしろ4気筒版スープラのほうが車体重量が軽く、かつ前後重量配分が完全に50:50となり、鼻先が軽いので運転を楽しめる、とも。

ちなみに4気筒モデルは「空車状態で前後50:50」、6気筒モデルは「ドライバー乗車状態で前後50:50」となる設計を持っており、つまり4気筒モデルはドライバーが乗ると、リアに荷重(トラクション)がかかるということになりますね。

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新型スープラ開発秘話。「4気筒のほうが重量配分に優れ、楽しい」「ATしかない理由」「ドリフト向きではない」「FRの理由」「2シーターになったワケ」

欧州に導入される4気筒スープラは?

今回欧州にて販売が開始されるスープラについて、「258PS」だと報じられていて、日本だとSZ-Rに該当するということに。
0-100km/h加速は5.2秒、最高速度は250km/h(おそらくリミッター作動)というスペックを誇ります。

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しかしながら、日本のスープラにはない「目玉」が上述の「富士スピードウェイ・エディション(200台限定)」。
ボディカラーはホワイトメタリック(これは日本でも選択できる)、しかしドアミラーはレッドに、ホイールは19インチサイズのマットブラックに(SZ-Rの標準ホイールは18インチの切削加工)。

これは北米市場にて販売された(6気筒モデルの)初回限定モデル、”ローンチ・エディション”とよく似た仕様です。

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新型トヨタGRスープラの北米仕様は6気筒のみ。初回限定モデル「ローンチエディション」はこんな装備を持っている

なぜトヨタは欧州で4気筒モデルのスープラを発売するのか

なお、今回「エントリーモデル」を追加したことに対しては「GRスープラの販売ペースが鈍ってしまったのか」と勘ぐったりしてしまうものの、おそらくは「規制への対応」。

現在欧州では「環境」「騒音」に対する厳しい規制が敷かれており、各自動車メーカーはこれに対応する必要があるわけですね。
そのため、6気筒版スープラに積まれる「B58エンジン」につき、BMW Z4だと北米仕様が380馬力であるのに対し、欧州仕様では出力を抑えた340馬力。
GRスープラの場合、北米仕様、欧州仕様で差は設けられていないものの、トヨタは近い将来、「GRスープラの6気筒モデルは欧州で販売できなくなる」と考えたのかも。

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ちなみに6気筒版スープラの排気音は日本でも「車検ギリギリ」の大音量だとされているので、サウンド面においても(将来)6気筒スープラは欧州にて規制にひっかかる可能性があり、「将来に備えた」4気筒モデルの存在意義があるとも考えられます。

加えてマツダはCO2排出規制の関係にて、ロードスターの2リッターモデル(欧州では、ロードスター/ロードスターRFともに1.5/2リッターが選べる)の販売を抑制するとも発言しており、欧州の規制はぼくらが考えるより”ずっと厳しい”のが現実のようですね。

欧州にてマツダ・ロードスター存続の危機!2リッターモデルが廃止され「販売は20%ダウンするだろう」。いったいなぜ?

そういった意味において、今回「欧州で4気筒スープラを投入」するのは販売テコ入れが主要因ではないと考えていますが、もし「規制のユルい」北米に4気筒モデルが投入されることになれば、それはすなわち「落ち込んだ販売ペースを回復させる」という意味合いが強いのかもしれません。

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GRスープラ「 富士スピードウェイ・エディション 」のインテリアはこうなっている

そして2リッター版スープラの欧州初回限定モデル、富士スピードウェイ・エディションの内装はこんな感じ。
ブラックをベースにレッド/ブラックのアルカンターラが使用され、欧州向けスープラに用意される”コネクト・アンド・スポーツパッケージ”が標準にて装備されている、とのこと。

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