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マクラーレン創始者が最初に作り、自分でドライブしたクルマと同じカラーの”エルバ”。マクラーレンの歴史はここから始まった

2020/03/13

| なぜかマクラーレンはこれまでブルース・マクラーレンに焦点を当ててこなかった |

マクラーレンが399台限定にて発売したロードスター、「エルヴァ」。
この「エルヴァ(ELVA)」という名称については、マクラーレン創始者であるブルース・マクラレーンが自らが開発し、レースに出場したレーシングカー、M1Aを指す呼称であると発表されています。

そして今回、マクラーレンは自身のツイッターにて、新たなる仕様を持つエルヴァを公開していますが、これは1964年のカナディアン・スポーツカー・グランプリ開催中に、ブルース・マクラーレンのドライブにより7回もラップタイムを更新したM1A"エルヴァ”のカラーリングを再現したもの。

ただ、このM1Aについてはあまり記録が残っていないようで、ブルース・マクラーレンが開発した最初のレーシングカーであったこと、このレーシングカーが非常に優れていた(好成績をあげた)こと、そのためにほかのプライベーターからも同じマシンを作って欲しいと頼まれて量産に乗り出したこと、しかしリソースがないためにレーシングカーコンストラクター”エルヴァ・カーズ”との間によってこのM1Aを生産したためにエルヴァと呼ばれるようになったことなどが通説です。

マクラーレンはあまり過去を振り返ってこなかった

なお、ブルース・マクラーレンは1970年に事故死を遂げていますが、もともとレーシングチームとしてのマクラーレンにはブルース・マクラーレン一族が参加していなかったこともあり、その死後はチームメイトによって引き継がれることに。

ちなみにチームの設立は1963年なので、ブルース・マクラーレンが率いた期間はわずか7年であり、しかしその後のマクラーレンのほうがずっと歴史が長く、かつ多くの活躍を見せているためか、これまでブルース・マクラーレンにスポットライトが当てられることは少なかったように思います。

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加えて、ロードカーのマクラーレンをリリースしている「マクラーレン・オートモーティブ」は、もともとブルース・マクラーレンが設立したレーシングチームとは別の流れにある会社で、設立そのものは1989年。

これからのマクラーレンは「過去重視」?

マクラーレン・オートモーティブは、モータースポーツ活動を行う「マクラーレン・レーシング」とともにマクラーレングループ傘下に収まるものの、別の組織ということもあってか、一部プロモーションを除くと、意図的に過去のヘリテージを押し出してこなかったようにも感じているわけですね。

しかしそんなマクラーレンにしては珍しく、モータースポーツにおけるルーツに焦点を当てたのが今回の限定モデル、「エルヴァ」。
ブルース・マクラーレンが手掛けた最初のレーシングカーを現代風に解釈したクルマとなりますが、これについては「市販車としては歴史の浅い」マクラーレンが、フェラーリやランボルギーニ、アストンマーティン、ポルシェに対抗するための手段だったのだろうと考えています。

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というのも、現代のスーパーカーは「性能」で買われるわけではなく、そのデザインやブランドバリューによって消費者に選ばれることになり、そのブランドバリューを形成する要素のひとつは「歴史」。

市販車としての歴史がライバルに対して短いマクラーレンは、その部分を”なにか”で補う必要があって、そのための手段が「モータースポーツ」「「ブルース・マクラーレンというカリスマ」だったのかもしれません。

なお、ブルース・マクラーレンの娘はマクラーレンと関わること無く、祖国ニュージーランドでずっと農園を営んでいたそうですが、最近マクラーレンに請われる形で英国に移住しマクラーレンに勤めることになっていて、これもまたマクラーレンが「ブルース・マクラーレンを前面に押し出そうという」プロモーションの一部なのかもしれません。※2017年頃からこういった動きが見られるようだ

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VIA:McLaren

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