| チャイルドシート装備のジンガー・ポルシェ911は見たことがない |
ここ最近、「新作」を精力的に発表しているジンガー・ビークルデザイン。
901、930、964世代の空冷ポルシェ911をベースに初代911風へとレストモッド(レストア+カスタム)するというスタイルが受け、創業以後高い人気を誇り続けています。
そのコストは1台あたり2000万円〜3000万円ほどだと言われていますが、その高額さにもかかわらず、現在の「納車待ち」はおよそ10年と言われるほど。
納車待ちの理由は「絶大な人気」のほか、「芸術品レベルの仕上げ」や、「オーバースペックという言葉でも足りないほどのこだわり」を持つため製造に多大な時間がかかるからだとされています。
今回公開されたのは「アングレット・コミッション」
そして今回公開されたのは、アングレット・コミッションと名付けられた一台。
ボディカラーはジンガー・ビークル・デザインが「オーベルジーヌ・ライト・パープル」と呼ぶ深い紫。
ここでその「アングレット・コミッション」がどんなクルマなのかを見てみましょう。
このアングレット・コミッションは最近発表された一連のジンガー製コンプリート911同様に、901風のウインカーやフックススタイルのホイールを持ちますが、フロントバンパーからサイド、リアにかけてのモールが非常に独特(他の車両では見たことがない)。
ホイールやモールはマット仕上げのライトグレーとダークグレーとのコンビとなり、ウインドウモールやドアミラーなどもマット仕上げのグレーへと変更。
これらは本来「メッキ」が施される部分ですが、光沢が抑えられることでずいぶん表情が変化しています。
ホイールは17インチ、そしてタイヤはミシュラン・パイロットスポーツ(ちゃんとポルシェの認証マークが入っている)。
バンパーオーバーライダー、エキゾーストシステムもマットシルバー仕上げ。
ジンガー・ビークル・デザインの常としてふだん見えない部分にまで手が入り、トランク内部もこのとおり。
給油口はセンターに移動し、タワーバーはシャフト部分がボディカラー同色にペイントされています。
エンジンも新品同様にリビルト。
エアインテークやファンは美しいペイント仕上げを持っています。
さらにはフロントトランク同様、エンジンルーム内部もキルティングが施されたレザー貼りに。
ジンガー・ビークル・デザイン「アングレット・コミッション」のインテリアはこうなっている
アングレット・コミッションのインテリアはブラック&ブルー。
優雅な雰囲気が感じられる一方、スパルタンな雰囲気も感じられます。
なお、シートは(スイッチを見るに)8ウェイ電動。
シートのセンター部分とダッシュボード下部は2色のブルーレザーを使用した編み込み仕上げ(+アイレット)。
かなり(使用上)気を遣うフィニッシュですが、ジンガーポルシェのオーナーはいずれも「非常にクルマを大事にする」人たちだと思われ、問題はないのかもしれません。
トランスミッションは現代のポルシェにも採用される6速マニュアル。
リアトレイやピラー内側にまでレザーが張り込まれ、その上でロールケージが装着。
特筆すべきは、ロールケージにまで内装同色レザーそしてホワイトステッチが用いられていること。
高価な編み込みレザー(イントレチャート)がふんだんに用いられ、リアには補強のためと思われるバーが貫通し、バックレストはそのバーに取り付けられるという斬新な構造ですね。
そして驚かされるのは「チャイルドシート装備」ということで、こちらにも編み込みレザーが使用されています。
VIA: Singer Vehicle Design - Facebook