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エンツォフェラーリが2.9億円で落札!オンライン競売の最高額が更新され、コロナ禍でもフェラーリの輝きが色褪せないことが証明される

| それにしても、いかに限定フェラーリとはいえ「見もせず」にこの額を払うとは |

RMサザビーズがオンライン上にて開催したオークションにて、エンツォ・フェラーリが「最高額」を記録。

こういった希少車のオークションといえば「実車確認を行いたい」人が多く、よって実車を前にした競売の実施が定番ではあるものの、現在の状況ではそれも不可。

よって今回の「オンライン」開催となったわけですが、2003年モデルのエンツォフェラーリが2,640,000ドル(邦貨換算で約2億9000万円)で落札され、世間を驚かせています。

エンツォフェラーリはこんなクルマ

エンツォフェラーリは「フェラーリ55周年記念」として2002年に発表されており、限定台数は399台(後にチャリティ目的によって、ローマ教皇ヨハネ・パウロ2世の注文によって400台目が作られ、競売にかけられ、約1億5000万円で落札)。

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ボディサイズは全長4,702ミリ、全幅2,035ミリ、全高1,147ミリ、ミッドに搭載されるのは6リッターV12自然吸気(660馬力)、トランスミッションはF1マチック(セミAT)、そしてもちろん駆動輪は後輪のみ。

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車体デザインはケン・オクヤマ(奥山清行)氏ですが、これは「プランB」だった模様。

というのも、モノの本によると、当時のフェラーリ会長、ルカ・ディ・モンテゼーモロ氏がヘリコプターに乗ってピニンファリーナを訪れ、そこで(ヘリコプターのエンジンをかけたまま)エンツォフェラーリのデザイン案をもって来させ、しかしそれを見るなり「NO」とだけ言って踵をかえして帰ろうとしたと言われます。

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ただ、ピニンファリーナはそのままルカ・ディ・モンテゼーモロ氏を帰してしまうわけにゆかず、ケン・オクヤマ氏の考えていた「プランB」をその場で(15分で)仕上げさせて示したのが実際にエンツォフェラーリに採用されたデザインであったようですね。

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この状況を見ても分かる通り、フェラーリとピニンファリーナとの関係はピニンファリーナにとって「屈辱的」であったとされ、ケン・オクヤマ氏はフェラーリとの仕事について「ストレス以外の何ものでもない」と語ったことも(それでも関係を継続したのは、”フェラーリのデザインを請け負っている”という看板が絶大だったから)。

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現在、フェラーリはピニンファリーナと縁を切った状態ですが、ピニンファリーナは「創業者の積年の夢であった」自社の名を冠したスポーツカー(ハイパーカー)を発表し、フェラーリはフェラーリで自社内製デザインに切り替えることで「ピニンファリーナが頑として取り入れなかったボディサイドのエアインテークを」採用しているので、両者が決別したことについて、”それはそれで良かった”のかも。

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エンツォフェラーリにはF1マシン風の「ハイノーズ」が採用されますが、フェラーリのスペチアーレも中では唯一、もっともF1に近いデザインを持っているとも言えそうです。

日本の場合はもちろんフロントにナンバープレートを装着する必要があって、しかしナンバープレートを装着すると美観を損なうばかりか冷却性能もスポイルすることになり、よってナンバープレートを模した「ステッカー」を貼った個体を見たことがあるものの、これが合法なのかどうかは不明(わざわざ違法なナンバープレート風ステッカーを貼る必要もなく、であればやっぱり合法なのだと思う)。

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なお、フェラーリはポルシェやランボルギーニとは異なって、カタログモデルに「センターロックホイール」を装着しないものの、こういった記念限定モデル(スペチアーレ)にはセンターロックホイールを好んで採用する傾向にあるようです(それだけ、モータースポーツとの近さをアピールしているのかも)。

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F50があまりにスパルタンすぎるという声が大きかったためか、エンツォフェラーリでは快適性も重視されており、フロントトランクが設けられ、内張りが貼られた上に実用的な広さも持っているようです。

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6リッターV12エンジンはエンツォフェラーリ専用設計で、車体にはブッシュを介してマウントされています(F50はブッシュを使用しないリジッドマウントで、そのためにレーシングカーのような乗り味だったという)。

0-100km/h加速は3秒ちょっと、そして最高速は350km/h。

エンツォフェラーリのインテリアはこうなっている

そしてこちらがエンツォフェラーリのインテリア。

F40、F50に比較するとかなり「普通のクルマ」に近づいているものの、それでもやっぱりスパルタン。

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シートのサポート部(ボルスター)の張り出しは大きく、座面もかなり低いようですね。

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ステアリングホイールの上部はカーボンファイバー、そしてLEDインジケーター内蔵。

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ルーフ内張りは大きくえぐられていますが、それでもヘッドスペースはけっこう狭いようですね(車高はフェラーリF8トリブートより6センチも低い)。

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なお、このエンツォフェラーリの走行距離はわずか2012キロにとどまり、そのために程度は良好。

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予想落札価格は260万ドル~290万ドルと見られており、実際の落札価格はこの範囲内に収まったということになるものの、コロナウイルスの影響下で、さらにオンラインという「実車を目にせず」これだけの額で購入したというのはやっぱり驚き。

同オークションでは1985年製のフェラーリ288GTOが231万ドルで落札されたそうですが、いかなる状況においてもフェラーリはその輝きを失わないということなのかもしれません。

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こちらは車載工具。

電球やヒューズ、牽引フックのほか、ペンチやレンチといったけっこう大きなツールも付属。

なぜかアクセルペダルが一枚付属しているようですね。

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整備手帳、取扱説明書も完備。

こういった「付属品が揃う」ことも安心感を向上させ、高額落札に結びついた要因なのだと思います。

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