| フェラーリも「操る楽しさ」にシフト |
フェラーリが自身の所有するフィオラノ・サーキットにてSF90ストラダーレを走らせ、なにやら動画の撮影を行なっている模様。
フェラーリはつい最近、シャルル・ルクレールを起用して現代版「ランデヴー」である”グラン・ランデヴー”を公開したばかりですが、これとは別に、新たなるSF90ストラダーレ用プロモーション動画を撮影している、ということになりますね。
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フェラーリといえども慎重に市場浸透を図る
なお、フェラーリは2019年にF8トリブート、SF90ストラダーレ、F8スパイダー、812GTS、ローマといった順にニューモデルの発表を行なっていますが、すでにF8トリブートは納車が開始されており、ここ最近の積極的なプロモーションを見るに、次はSF90ストラダーレの番、ということなのだと思われます(SF90ストラダーレは”ハイブリッド”なだけに順番が前後し、後のほうになると考えていた)。
フェラーリはこれらニューモデルについて「しっかり市場に根付かせる」ことを考え、車種ごとに確実なプロモーションを行なってゆくとしていますが、昨年は「ニューモデルラッシュ」、今年、そして来年は「プロモーションラッシュ」な年になるかもしれません。
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フェラーリは絶大なブランド力を誇ることでも知られ、「今更市場浸透を図らなくても、どれだけでも売りたいだけ売れるだろう」と考えてしまいがちではあるものの、フェラーリは同じようにクルマを「売る」にしても、その「質」を高めたいのだと思われ、将来にわたってフェラーリのVIP顧客となるようなポテンシャルカスタマーとの接点(コンタクトポイント)を作ることに重きを置くのでしょうね。
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動画ではスピン直前と思えるほどのドリフトアングルを披露
なお、カメラカーとして使用されているのはフィアット500L。
ボディカラーにはレッドが選択されており、これまでの報道や、様々な動画を見る限りだと、フェラーリが所有するクルマは(自転車までもが)他社製品といえど、ほぼ全てがレッドにペイントされているようですね(こういったこだわりがブランドを作るのだと思われる)。
動画ではドリフト体制に持ってゆくフェラーリSF90ストラダーレの姿が確認できますが、フェラーリは488GTB以降、こういった「ドリフト」を見せるようになったと認識しています。
それまではプロモーション動画において、きっちり”グリップ走行”する様子を見せており、いかにサーキットで速く走ることができるかに重点を置いていたように思われ、しかし昨今のメルセデスAMG、BMW Mモデル、果てはマクラーレンまでもが「ドリフトモード」を備えるに至り、そしてそれが顧客に求められているという現状から、フェラーリとて認識を変えざるをえなかったのかもしれません(そして、フェラーリが、これまでの顧客ではなく、未来を支えてくれる新しい客層を求めるのであればなおのこと)。※ランボルギーニもプロモーションビデオではドリフトを強調するようになった
なお、ドリフトモードとは言うものの、各社のそれは「テールスライドを誘発する」ものではなく、「テールスライド状態となったり、意図的にドリフト状態に持ち込んだときに」スリップアングルを何度まで許容し(車両によっては設定が可能)、それ以上になると車両制御を行うことでスピンさせずに車両を安定化させるというもので、誰でも簡単にドリフトさせてくれる機能ではなく、ドリフト状態に持って行けるドライバーの技量や速度が必要なのには要注意です。
そして、フェラーリ、ランボルギーニとも、「ドリフトモード」とは主張していないものの、事実上の「ドリフトモード(スリップアングルを許容し、一定の段階で制御を入れる)」を持っていると考えるのが妥当かもしれません。
参照:Varryx