| 目標は1000馬力、ただ今650馬力 |
日産フェアレディZ(S30)へ、R34世代のGT-Rに積まれていたRB26DETTをスワップした個体が登場。
S30世代のフェアレディZはその知名度や人気に比較して(個体数が多いため)中古価格が安く、そのため多くのファンがベース車両を入手し、それぞれのカスタムを施して楽しんでいるようです。
この個体についてはタービンにギャレット製GTX3567Rを装着してシャシーダイナモ上で650馬力を発生するそうですが、目標は「1000馬力」とのこと。
ちょっと前までのボディカラーはホワイトであったものの、現在は画像の通りブルーにペイントされています(オーナーのインスタグラムアカウントが「midnight_rbz」なので、湾岸ミッドナイトに登場する”悪魔のZ”をイメージしているのかも)。
RB26DETTはチューニングパーツが豊富
このフェアレディZを手掛けたのは米国のチューニングショップ「ダイナモータースポーツ」。
インスタグラムを見ると、ホンダ、日産、マツダなど日本車を中心にカスタム/チューンを施しているようですね。
なお、もともとフェアレディZに積まれるのは「L型エンジン」ですが、これは頑強なことで知られる日産の名機。
ただしこのチューナーそしてオーナーはL型エンジンを捨て、上述の通りRB26DETTを選択することに。
たしかにチューニングを行う上ではRB26DETTのほうがパーツやノウハウが豊富であり、より簡単にコトが進むのかもしれません。
ちなみにRB26DETTとは「Response Balance 2600cc DOHC Electronic Twin Turbo」の略で、R32 GT-R専用に開発されたエンジンです。
RB26DETTの「2600cc」というハンパな排気量については、当時参戦を予定していたカテゴリのレギュレーションにあわせて「逆算(ターボ係数も考慮ずみ)」され決定されたもので、GT-Rそのものが「レース参戦ありき」で開発されたクルマ。
実際に参戦を始めると世界中のレースにて圧倒的な強さを誇り、ライバルをバッタバッタとなぎ倒す様を見たオーストラリアのメディアが「ゴジラ」と呼びはじめ、そこからこのニックネームが定着したようですね。
そういったクルマに積まれていたエンジンだけあってRB26DETTは頑丈極まりなく(高出力に耐えうる)、さらには数々のチューナーからパーツがリリースされています。
ただしRB26DETTは耐久性を重視したために重量がかさむという問題もあり(エンジンブロックは鋳鉄製)、もともと軽量なS30フェアレディZに搭載するとかなりフロントヘビーとなるのもまた事実。※エンジン単体で260kgくらいある。L型エンジンは220kgくらい
R32 GT-Rは1,500キロ弱、S30フェアレディZは1,000キロ前後なので、エンジンが車体重量に占める比率は当然S30フェアレディのほうが大きくなり、補機類まで含めるとかなりノーズが重くなっているはずで、その重くなったフロントを支えるために(この個体では)太いフロントタイヤが装着されているのかもしれません。
なお、リアアンダーには整流板のようなものが追加されており、ダックテールスポイラーを左右に延長したり、フロントに大きなエアダム、そしてサイドスカートを装着しているところを見るに、エアロダイナミクスにも力を入れているようですね。
こちらは最近の動画。
チューンされたRB26DETTの許容回転数は8000回転以上だそうですが、動画中では高回転サウンドを聞くことが可能です。
こちらは少し前まで、ボディカラーがホワイトだった頃の動画。
なお、S30フェアレディZが現役だった頃はオレンジやイエロー、ブラウンが人気で、むしろホワイトは少なかったと聞きますが、近年になってからのS30フェアレディZカスタムだと逆にホワイトが人気であるように思われ、暖色系はあまりカスタム車両にはに用いられないようですね。
参照:nitish21