| 車体は前から後ろにかけてのグラデーション |
さて、先月辺りから徐々に一般向けの納車が始まっているマクラーレン・スピードテール。
今回はロンドンにあるハイエンド・カーディティーリングショップ「トパーズ」が納車前のスピードテールを磨き、そしてプロテクションフィルムを施工する様子を公開しています。
トパーズにはさまざまなメニューがあるものの、今回は新車向けの「ステージ2」ディティーリング、そして「4K」プロテクションフィルムを施す、とのこと。
なお、フロントの車高が高いのは、納車前の「(フロントを擦らないための)プロテクションモード」のままだからだ、と説明しています。
マクラーレン・スピードテールはこんなクルマ
マクラーレン・スピードテールは1993年に発売された「F1」の精神を受け継いだ限定モデルで、かつてF1が市販車における最高速(公式記録として残るのは386km/h)を記録したことに敬意を表しつつ、403km/hという破格のトップスピードを標榜するハイパーカー。
限定台数は106台、価格は2億4000万円程度だと言われています。
車体構造はカーボンファイバー(カーボンモノセルII)、そして搭載されるのはV8ツインターボエンジンであり、つまりほかの限定シリーズと同じパッケージングを持ちますが、たとえばセナがサーキット走行重視、エルヴァがドライビング・ダイナミクス重視なのに対し、このスピードテールは「最高速重視のグランドツアラー」。
つまり長距離を快適に移動するためのクルマということになりますが、そのデザインは「新世代」とも言えるもので、「GT」や「エルヴァ」に近いイメージ、そして最高速を追求しただけあって滑らかな表面を持っています。
今回動画にて紹介される個体のボディカラーはメタリックレッドのように見え、しかし後ろにゆくに従って色が濃くなり、ヘッドライト下のダクトなどが「グラデーション」で仕上げられるなど、かなり特別な仕様を持つようですね。
そしてなんとドアは電動にて開閉!
ボディカラーのグラデーションにあわせるように、フロントのブレーキキャリパーはレッドですが(エアロカバーはよく見るとカーボンファイバー)・・・。
リアのブレーキキャリパーは濃いレッド。
キーもボディカラー同様にグラデーション、そしてスピードテールを上から見たシルエット入り。
なお、スピードテールはセンターシート+3人乗りという特殊なレイアウトを持っています。
外装同様、内装も自由にカスタムできますが、この個体のインテリアは外装同様に深いレッドをメインカラーに持つようですね。
ダッシュボード左端にあるのはドアミラーのかわりに設置されたカメラが捉えた映像を映すモニター。
マクラーレン・スピードテールにはこうやってディティーリングを行う
そしてさっそくディティーリングを開始。
最初に行うのは「洗車」ですが、温水で洗ったり、洗剤を吹き付けたり、とその工程はなんと「21」。
このエアロカバー付きのホイールはかなり洗いにくそう(隠れている部分は、タイヤを回転させないと洗えない)。
新車といえど、あらゆる部分を洗ってゆき、パネル間の隙間、そしてこういった「穴の空いたパネル」の穴までも。
なお、最近の車は設計技術が向上したため、グリルやダクトの構造が非常に複雑になっていて、フェラーリ・ローマのフロントグリル、SF90ストラダーレのエンジンベイ(透明のリアパネルの横)などはかなり洗いにくそうだ、と思います(そのほか、メルセデス・ベンツやアウディのフロントグリル、レクサスのスピンドルグリルなど)。
洗っては流し、洗っては流し、と繰り返して・・・。
ダクト内にも手を突っ込んで洗います。
洗車が終わった後にようやくディティーリング開始。
まずは慎重に養生を行い・・・。
磨きを開始。
穴もひとつひとつ磨いてゆく!
その後にプロテクションフィルム施工開始。
まだスピードテールのカット用データがないのか、大きなシートを貼ってから切ってゆくようですね。
なお、トパーズでは「フィルムを貼ったことがわからない」ように施工するのをモットーとしており、どんな角、隙間にでも貼り込んでゆきます。
例のリアフードにも完全施工。
おそらくとんでもない時間がかかったものと思われますが、この仕上がりだと美意識の高いであろうこのクルマのオーナーも納得しそうですね。