| なお出演メンバーに「本当のクルマ好きはわずかだった」とも |
故ポール・ウォーカーは日産スカイラインGT-Rをこよなく愛したことでも知られ、とくにR34世代に強い思い入れを持っていた模様。
実際に過去のインタビューにおいても、「スカイライン」の名が外れたR35 GT-Rについても、「自分にとってのGT-Rとはスカイラインでなくてはならない」とその名称や、それ以前の世代のスカイラインGT-Rに対する情熱を語っています。
そして今回、映画「ワイルド・スピード」シリーズのいくつかの作品にて車両提供を行ったクレイグ・リーバーマン氏が、ポール・ウォーカーが所有していたスカイラインGT-Rの中でも「もっとも価値が高い」とされるR34スカイラインGT-R Vスペックについて、いかにしてそれがポール・ウォーカーを惹きつけたかというストーリーを動画にて紹介することに。
クレイグ・リーバーマン氏自信がカーマニア
まず、このクレイグ・リーバーマン氏なる人物そのものが相当なカーマニアで、それまでの人生で40台ほどのクルマを所有し、うち3台(スープラ、GT-R、マキシマ)が映画にて使用された、とのこと。
同氏は上述の通り、ワイルド・スピードへの車両の手配を担当したほか、同作のテクニカルアドバイザーも務めていますが、スカイラインGT-Rをポール・ウォーカーへと紹介したのは他ならぬ同氏なのだそう。
ポール・ウォーカーとGT-Rとの出会いは「R34」がきっかけ
当時日産スカイラインGT-Rをアメリカへと合法的に輸入していたのはモトレックス(MotoRex)なるショップのみ。
そしてクレイグ・リーバーマン氏はそのモトレックスが輸入したR34GT-R(通称ブラックバード)をポール・ウォーカーへと紹介し、ポール・ウォーカーは数ヶ月そのクルマを借りたのちに自ら「買い取った」とのこと。
そこからポール・ウォーカーはGT-Rと恋に落ちたとみえ、モトレックスが持っていたGT-Rの在庫車を確認してこのソニックシルバーのGT-Rを購入。
ワイルド・スピードシリーズに「GT-Rの出番が多くなった」のはこういった背景が関係しているのかもしれませんね。
しかしながらポール・ウォーカーはこのシルバーのGT-Rをそう長く所有せず、これを売却してホワイトのR34 GT-Rへと乗り換えることに。
そしてこのシルバーのGT-Rですが、その後ハワイのオーナー(この男性はワイルド・スピードそしてポール・ウォーカーの大ファンで、劇中に登場した80スープラのレプリカ、R34ブラックバードのレプリカも製作している)の手に渡り、しかしこのオーナーは麻薬に関する容疑にて麻薬取締局(DEA)から捜査を受け、その際にこのGT-Rが押収されています。
さらにその後、このGT-Rはオークションにかけられてテキサスの個人が落札したのち、現在は日本車(JDM)専門の輸入車ショップが所有している、という状況が語られています。
R34GT-Rについて、2024年が到来するまでは「25年ルール」のためにアメリカへと輸入することが難しく、しかし上述のモトレックスによって合法的に輸入されたR34 GT-Rは14台。
そのうちの一台がこのシルバーのGT-Rということになりますが、その希少性、ポール・ウォーカーのネームバリューによってその価値は4300万円をくだらないだろう、と見積もられています。
ワイルド・スピードにはクルマ好きの出演メンバーが意外と少なかった
なお、ワイルド・スピードに出演する俳優・女優はその役柄のためか皆「カーマニア」に思えるものの、実はそうではない場合も多く、クレイグ・リーバーマン氏によると「カーマニアは少なかった」とのこと。
ポール・ウォーカーはいうまでもなくカーマニアの筆頭(自身の職業の一つとしてレーシングドライバーを挙げていたくらいなので)ですが、ちょっと意外だったのはジョーダナ・ブリュースターがけっこうなクルマ好きである、ということ。
実のところ、ワイルド・スピード第1作目では「運転免許」すら持っていなかったものの、撮影終了後に免許を取得し、そこからクルマにハマった、と同氏は述べています。
そのほか同氏が「本物のカーガイ」と語るのはジェイソン・ステイサム、そしてサン・カン。