さて、世の中には様々なカスタムが存在しますが、今回紹介するのは、おそらく「世界で最も車高の低い日産フェアレディZ」。
これはインスタグラムユーザー、thats_gvbe氏の所有する個体であり、見ての通り極端に車高を落とし、そして鬼キャン(ネガティブキャンバー)仕様。
加えてワイドボディに前後ワイドフェンダー化等、様々なカスタムが施されています。
鬼キャンって何?
鬼キャンとは「極端なネガティブキャンバー」がついた状態を指し、つまりタイヤ/ホイールがハの字になった状態を指しますが、もともとはレーシングカーに採用されていたセッティングで、それが走り屋に広がり、さらに暴走族にも取り入れられるようになったと言われます。
なお、サスペンション形式によっては「ローダウンするだけで」自動的にキャンバー角が変わり「ネガティブキャンバー(ネガキャン)となりますが、ここまでの角度がつけるにはサスアームを変更する必要があると思われ、ドライブシャフトやユニバーサルジョイントにも相当な負担がかかっているのかもしれません。
負担と言えばもちろん「タイヤ/ホイール」に与える影響も小さくはなく、そもそも常時接地することを考えていないタイヤのショルダー部分を接地させて「走る、曲がる、止まる」を行うことになるため、一瞬でタイヤが摩耗してバーストすることになりそう。
それは持ち主もよくわかっているようで、イベント会場までの移動についてはトレーラーに載せて運ぶといった対策も。
ちなみに自走する動画もインスタグラムに公開されているものの、おそらく「曲がるのも困難で、接地面積が減少するため、ブレーキも効かないんだろうな」ということが容易に想像できます。
ただ、アメリカのカスタムはクルマの性能を極端に落としてしまうものも多く、しかし「楽しければそれでいい」という風潮もあり、これもひとつのクルマの楽しみ方だと言えそうですね。
なお、この「鬼キャン」はアメリカだと「スタンス(Stance)」と呼ばれ一つのカテゴリとして成立しているそうですが、クルマにとってはあまりいいことはなく、走行性能についてもネガティブインパクトを与えるため、質実剛健、かつ性能向上を求める欧州のチューニング市場ではまず受け入れられない、とも言われています。
ちなみに「車高が低すぎる」ためか車体裏面と地面とのクリアランスはほぼ「ゼロ」に近いように見え、走行すると地面と車体裏面とをこすってしまい、火花が飛び散っています。
参照:CARSCOOPS, thats_gvbe