| ここまで高いクオリティのレプリカが作れるとは |
さて、これまでにも様々なレプリカが登場していますが、今回はなんとブガッティ・ヴィジョン・グランツーリスモ・コンセプトのレプリカを作った男たちが登場。
このプロジェクトを牽引したのは「メカニック・ジャック」なる青年で、仲間たちと協力し120日をかけて実物大の、そして走行可能なブガッティ・ヴィジョン・グランツーリスモ・コンセプトのレプリカを製作しています。
使用したのはハンドツールのみ
そして驚くべきは、その全てを手作業にて、そしてごくごく簡単なハンドツールのみでこのレプリカを製作した、ということ。
さらに驚かされるのは、ボディパネルはすべてシートメタルを切り出したうえで切った貼ったを行い、そして叩いて成形したということ。
加えて車体そのものはパイプにてスペースフレームを組んでおり、なんらかの車体をベースにしたわけではなく、文字通り「フルスクラッチ」にて作り上げています。
こんな感じでスペースフレームを組み、インボード式サスペンションを取り付け、エンジンやトランスミッションを装着したのちにワイヤーにてボディパネルの枠をつくり、そこへスチールパネルを貼ってゆくという工程です。
なお、このメカニック・ジャック氏は整備工場で働いており、板金や重整備の経験がかなり豊富と見え、シャシーやドライブトレーンを組み上げるのにはあまり苦労はなかったようですね。
途中の工程を見てみると、ボンネットのエアアウトレットやフェンダー上のルーバーは「スチールパネルに切り込みを入れ」、そこから曲げに曲げて形を作っているようです。
子供の頃からブガッティを作ることが夢だった
それにしても恐るべき技術、そして情熱。
メカニック・ジャック氏は「子供の頃から、自分の手でブガッティを作りたかった」と語っており、「そして今、ようやくその時が来た」とも。
おそらくはブガッティ(のレプリカ)を自分で作ることを考え、整備工場に務めることでスキルを身につけたのだと思われます。
そしてエンジンはなんとV8(しかも直管!)。
一体どこから持ってきたのかは不明ですが、ちゃんと車体ミッドにマウントし、その後ろにトランスミッションを装着しています。
つまりミッドシップということになりますが、意外とポテンシャルの高そうなクルマですね。
もっとも苦労したのはこのリアウイングのようで、しかし相当に複雑なパーツを組み合わせ、実車のブガッティ・ヴィジョン・グランツーリスモそっくりの仕上がりに。
その後は試運転。
「ボクたちには夢がある。そして失敗な許されない。許されるのは成功だけだ」。
ロールスロイスと並んでもこの迫力!
未塗装そして鉄板剥き出しの状態はやたらと迫力がありますね。
そしてこちらが塗装を行い、完成した状態。
ヘッドライトもちゃんと転倒し、一見すると本物のブガッティのように見えます。
なお、ドアや各パネルは開かないようですが、それでも素晴らしい完成度だと言って良さそうですね。
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そして溢れんばかりの情熱をもって作られたレプリカというとタイの「段ボール製フェラーリ」。
この人たちはほかにブガッティ、そしてランボルギーニのレプリカも作っていますね。
なお、息子のために3Dプリンタを駆使してアヴェンタドールのレプリカを製作した父親とその息子に対し、ランボルギーニが(実車の)アヴェンタドールの試乗経験をプレゼントしたことも。
お金を得ようとしてレプリカを作ることはけして許されることではなく、しかしこれらの例のように「自身の夢をかなえるため」レプリカを製作することは(そのブランドの名誉を貶めない限りでは)まだ許されていいんじゃないかと思ったりします。
いずれにせよ、スーパーカーブランドは「夢を売っている」とも考えることができ、こういったレプリカを作ることを夢見る人々が出てくることは「有名税」のようなものかもしれませんね。