| 今見ると、「あの頃の日本はどうかしてたんだな」と思う |
さて、1989年に「日本市場向け」に作られたメルセデス・ベンツ560SEC AMGがRMサザビーズ開催のオークションに登場予定。
これはスタンダードの5.5リッターV8エンジン(M117)をボアアップして6リッターに拡大し、新しいカムシャフトやシリンダーヘッド、スロットルボディ、エキゾーストシステムが装着され、インテークマニフォールド研磨等のチューニングが施されたコンプリートカー。
メルセデス・ベンツ560SEC AMGのカスタム内容は幅広い
これらのチューニングによってエンジン出力は385馬力にまで向上していますが、このほかにもAMG製の4ピストン・ブレーキキャリパー(フロント)、ビルシュタイン製サスペンションが組み込まれているとアナウンスされており、まさにその内容はフルチューン。
更にボディはハンドメイドにて「ワイド化」され、フロントリップやサイドスカートの装着などエアロパーツも装備済み。
なお、ホイールは3ピース構造の17インチ。
一世を風靡したディッシュデザインの「モノブロック」であり、これはつい最近、ルイ・ヴィトンとメルセデスAMGとのコラボレーションによって発表された「プロジェクト・ゲレンデ」にも装着されていたデザインでもありますね。
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加えてこれもバブル期に人気を博したロリンザーがここ最近「復活」させているデザインでもあります。
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メルセデス・ベンツ560SEC AMGのインテリアはこうなっている
そしてこちらはメルセデス・ベンツ560SEC AMGののインテリア。
こちらもやはりバブル期のAMGといった感じでウッドとレザーがふんだんに使用されています。
なお、ウッドに「割れ」はなく、かなり大切に保管されていたのでしょうね。
こちらは説明書。
ちゃんと日本語バージョンが付属します。
あの頃、日本はこんなクルマばかりだった
なお、バブル期の日本ではロリンザー、ブラバス、ケーニッヒ、AMGによってカスタムされたメルセデス・ベンツが大人気。
ロリンザーやブラバスは現代のほうが過激な仕様を持つように思いますが、ケーニッヒは「当時ならでは」の過激な仕様を持つようです(画像はケーニッヒによるメルセデス・ベンツ560SEC)。
ちなみにこちらはケーニッヒのチューンしたポルシェ911。
やはりケーニッヒによるポルシェ928。
ケーニッヒはフェラーリのチューンでも有名でしたね。
そして内装もケーニッヒならでは。
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「AMG」はもともとメルセデス・ベンツとは別の会社だった
なお、現在では「メルセデスAMG」としてメルセデス・ベンツのいちブランドとしてのポジションが与えられるAMGですが、かつてはメルセデス・ベンツとは関係のない「チューナー」。
つまりブラバスやロリンザー、BMWだとACCESSシュニッツァーと同じような立ち位置だったものの、1999年にメルセデス・ベンツに吸収され、2014年から現在の「メルセデスAMG」として展開がなされています。
同じような例としてはミニ「ジョン・クーパー・ワークス(JCW)」やベントレー(マリナー)がありますね。
参照:RM Sotheby’s