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株価が1年で7.4倍に達したテスラ!2020年の生産台数は目標「50万台」にわずかに届かない49万9550台だったと発表。ちなみにテスラのクルマは「全部ヒット作」でハズレなし

テスラの充電器(スーパーチャージャー)

| 工場閉鎖期間を考慮すると、この数字は「目標達成」と言っていい |

さて、テスラが2020年の生産台数について、49万9550台に達したものの、目標の50万台をわずかに下回った、と発表。

ただ、コロナ禍によって多くの自動車メーカーが業績を悪化させるなかで「ほぼ達成」といってもいい数字は驚異的であり、実際にテスラの株価も上昇することに(実際に、事前のアナリストらによる予想では目標よりも9000台程度少ない生産台数に落ち着くとされていた)。

テスラによると、この数字については、2020年3月中旬~5月上旬にかけてはカリフォルニア州フリーモントの工場(ギガファクトリー)がロックダウンにより閉鎖されたものの、2019年末に稼働をはじめた中国・上海のギガファクトリーでの生産が大きく伸びたため、と説明されています。

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これからどうなるテスラ?

そして気になるのがテスラの今後ですが、現在「モデルS」「モデルX」を展開するプレミアムセグメントにおいては、ポルシェ、メルセデス・ベンツ、アウディ、BMWらによる攻勢を受け、モデルYやモデル3といった、まだ普及価格帯に近いセグメントではフォルクスワーゲン、そして中国市場においては中国内の自動車メーカーによる脅威にさらされることになりそう。

ただ、すでに述べたとおり、2021年のEV販売において「最大」となるであろう中国にはまだまだ成長余地があること(つまり成熟した市場におけるパイの取り合いではない)、そしてテスラには”イーロン・マスクCEOのカリスマ性”という他メーカーにはない中国人が好む吸引力があることから、まだまだ販売は好調に推移すると考えています。

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まだまだテスラが伸びると考える他の理由も

なお、これら以外にもテスラはまだまだ伸びると考えられる理由があり、まず1つ目は「ドイツでのギガファクトリーが完成したこと」。

これによって欧州においてよりコストの安い、そして品質の高い車両を提供することが可能となります。

テスラは効率のいい会社

加えて、他メーカーにないテスラのと特徴としては、ほか自動車メーカーのように「フランチャイズによるディーラー網」を持たず、販売についてはすべて直販ということも。

これによるメリットは、ディーラーの管理コストが小さくて済むこと、そしてディーラーに支払うインセンティブが「ゼロ」であること。

さらにテスラは広告費を使用せず、これもまた経営をコンパクトにできる理由のひとつです。

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そのほか、車種が少なく(現時点ではモデルS、モデルX、モデル3、モデルYの4つしかない)、実質上「モデルSとモデルX」「モデル3とモデルY」との多くが共通していることを考えると、設計や製造コストはかなり低いと考えられます。※しかも、テスラのクルマはいずれも「ハズレ」がない

今後は「サイバートラック」の生産が始まることになりますが、こちらについても設計を最適化することで「非常に安価に」生産できるとされ、デリバリーが開始されれば一気にテスラの利益を押し上げることに。

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さらにテスラにはインドはじめ「手つかず」の市場があり、今後これらでの販売や生産がプラスされることを考えると、今のところ「伸びる理由以外はない」とも考えているわけですね。

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テスラは今後、バッテリーパックを自社生産

参考までに、テスラは先日「バッテリーデイ」を開催しており、そこで発表されたのが「新型リチウムイオンバッテリー」。

このバッテリーはこれまでのバッテリーパックに比べるとコストが56%安いことが特徴で、これによって「そのコストの70%くらいがバッテリーパック」と言われるEVの価格を大きく引き下げることが可能です。

実際にテスラはこの(コストの安い)新型バッテリーを搭載したEVを25000ドルで販売すると主張しており、これが実現すれば多くの自動車メーカーのEVは「魅力を失ってしまう」ことに。

なお、自社でバッテリーを生産するには価格以外にも理由があり、それは「リチウムイオンバッテリーの需要が逼迫している」ということ。

数年前までは「バッテリー生産が増えれば(競争や、生産効率化によって)バッテリー価格が下がる」とされていたものの、実際にはリチウムイオンバッテリーの需要は供給を超えており(ポルシェ・パナメーラ・ハイブリッドはそれで一次生産が停止となった。トヨタRAV4 PHVも同様)、そうなると生産者は価格を引き下げる必要がなくなってくるわけですね。

こういった状況が続くと「バッテリー価格が下がらないので車両価格も下がらない」「生産したくてもバッテリーが手に入らない」ということになり、テスラはこれを見越していた、ということになりそう。

そして「25000ドルのEV」についても、中国の自動車メーカーが安価なEVにて攻勢をかけてくることを見越した”迎撃機”だとも考えられ、つまりイーロン・マスクCEOは他社の2手、3手先を行っているとも考えられます。

テスラ・モデル3

テスラには他の会社にはない収入源も

テスラにはまだまだ収益性を確保するための「他社にはない」利益構造があって、これはアメリカの「ゼロエミッション・クレジット」、欧州の「オープン・プール」。

どういうことかというと、自動車メーカー各社には「全体でのCO2排出量」が定められていて、これを超えると途方も無い罰金を支払う必要が出てきます。

ただ、全体でのCO2排出量が規定値を超えてしまったメーカーは、CO2排出量が規定位置以下のメーカーから”規定を下回ったぶん”を購入することができ、これによって既定値に収めたり、それでも超えることがあったとしても「罰金を減らす」ことができるわけですね。

テスラは実質的に「CO2排出量ゼロ」の車両を製造販売しているので、「たんまりと販売できる”枠”」があり、これを販売することで数百億円単位の利益を得ている、とされています(加えて今後、販売台数拡大とともにこの”他社に販売できる枠”も増えるので、さらに利益は拡大する)。

こういった事情を鑑みるに、今後テスラの利益は加速度的に伸びてゆくんじゃないかと考えており、販売台数の多寡に依存しない収益構造を持つことからも「まだまだ安定して成長する」だろうと考えているわけですね。

参照:Carview, etc.

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