| しかもこのBMW 2002はわずか1年で製造されたようだ |
世の中にはクレイジーなカスタムカーが多々存在しますが、今回もそんな中の一台を紹介したいと思います。
これはカスタムビルダー、ジョージ・ダルマキスさんによって製作された個体で、1973年のBMW2002に(M3やM4に積まれる)S55エンジンをスワップしたもの。
この組み合わせは「世界初」だとされており、たしかにこれ以外に同様のカスタムは見た記憶がないように思います。
ただし、このBMW2002は単なる「エンジンスワップ」ではなかった
しかしながら動画を見るに、単に「2002にS55エンジンをスワップした」だけではないということには驚かされ、ここでその内容を見てみましょう。
まずはこんな感じで外せるものは全部外してドンガラに。
そして新たに組んだシャシーがこちら。
オリジナルのスペースフレームに対してエンジンやトランスミッション、デフなどのパワートレーンを組み込み、サスペンションのロワー部もこちらへマウント。
スペースフレームはこんな感じ。
いうなれば「自作した」シャシーのほうが本体ということになりそうです。
そこへプラモデルのように、もともとの2002の「ガワ」をかぶせます。
もはやもともとのモノコックはほぼ意味を成していないように見えますが、サスペンションの「アッパー」側はモノコックに接続するようにも見えますね。
そして車内はこう。
もともとのパネルはまったく残っておらず、リブの入った金属板を溶接してモノコック風のパネルを整形しています。
なんとなくできてくるとこんな感じ。
とんでもなくフロアが低く、つまり低重心ということがわかりますね。
フェンダーやサイドステップはカーボンやFRPではなく、金属を溶接して作られるというレトロさ。
完成するとこうなった
その後に塗装を施し、様々なパーツを組み付けて完成。
ホイールはレトロなBBSが採用され、フェンダー内にツライチに収まるものの、おそらくは「ほとんどストロークしないんじゃないか」というくらいのクリアランスですね。
リアアンダーにはディフューザーが装着済み。
こうやって見るとエンジンの巨大さが際立ちますが、それだけ2002の車体が小さいということにもなりそう。
パイピングはチタン製、そしてタービンはボルグワーナー製(出力は800馬力)。
なお、BMW2002ターボは「市販車初」のターボエンジン搭載車だとされています。
S55エンジン搭載のBMW 2002のインテリアはこうなっている
そしてこちらはこの2002のインテリア。
そもそも車体が完全に作り変えられているため、インテリアも完全オリジナルとなっているようですね。
メーターはデジタル。
非常にスパルタンなクルマではあるものの、オレンジのレザーにブラックのアルカンターラが使用され、ある意味でゴージャスとも言える仕上がりに。
なお、トランスミッションはシーケンシャルっぽい構造を持つようです。
シートはレカロ製。
インテリアと同色そして同素材へと張り替えられています。
S55エンジンを搭載したBMW 2002の動画はこちら
参照:JRP Online