| つまりはそれくらいドイツでは「水冷化が一大事」だった? |
さて、現在は銃火器を使用した犯罪が多発するようになり、需要が高まっているのが「防弾仕様車」。
BMW、メルセデス・ベンツ、アウディが純正にて用意するほか、既存のクルマを防弾防爆仕様に改装するファクトリーも多数存在するようです。
そして今回紹介するのは「ポルシェ911の防弾仕様車(タイプ996)」ですが、公式に製作されたのはたった一台のみ、とのこと。
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オーダーしたのはポルシェの重役?
なお、この911は重要顧客のオーダーによって製造されたと言われ、しかし「誰が注文したのか」は非公開。
一説によると、当時ポルシェは911を空冷から水冷へと移行させており、これに納得できないポルシェ911のコアなファンたちの襲撃に備え、ポルシェの重役がオーダーしたのだ、とも(もちろんこれは冗談だと思うが、この車両を今でもポルシェが保管しているところを見るに、あながちウソだとも言い切れない)。
ちなみにボディカラーは「ドラゴンフライ・ターコイズ・メタリック。
1990年代には人気があった色味ではあるものの、現代ではあまり見かけなくなったカラーのひとつです。
「防弾ポルシェ」の外観は普通のポルシェとかわらない
画像を見ても分かる通り、この防弾仕様911の外観は通常の911と「同じ」。
一般に、こういった特殊車両は「VIPが乗っている」とわからないように普通のクルマっぽく仕上げられるといい、この911もその通例に則ったということになりそう。
ただ、よく見るとサイドウインドウの上部には黒いオビがあり、これは通常版911にはない特徴です。
これがいったい何なのかというと、防弾仕様化した際に厚くなったガラスに「段差」を設けるための構造で(これがないとぴっちり閉まらず、気密性が保てない)、見る人が見れば”わかる”通常モデルとの相違点でもありますね。
なお、キャビンを守る防弾ガラスの厚みは「20ミリ」。
ドアもまた通常の911と違わぬ外観を持ち、しかし内側には「Dyneema」なる素材が挿入され、これは鉄と同じ強度を持ちながら、その重量は1/15という素材。
スポーツカーを防弾化するにはもってこいの材質ということになりそうですね。
なお、これら装備によって「9ミリハンドガン」「44マグナム」の直撃にも耐えうる、とのこと。
インテリアもこれまた通常の911と変わらず、一見すると特殊なクルマだとはわからないところ。
ただし、ガラスやパネル等の防弾装備によって重量はおよそ3トンにも及び(ノーマルの倍くらい)、この重量からするに、おそらくはフロアやルーフに至るまで補強がなされているものと思われます。
「防弾仕様」ポルシェ911を紹介する動画はこちら
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