| さすがジンガーだけあって「アイデアに優れる職人」が優先事項 |
さて、ポルシェ911の空冷モデルを美しくレストモッドすることで知られるジンガー(シンガー)・ビークル・デザイン。
ロサンゼルスに拠点を置きつつハンドメイドにて車両を製作しており、しかしあまりの人気から現在納車「14年待ち」とも言われます。
そんなジンガーですが、生産能力を拡大すべく大量に人材の募集を開始し、公式サイトからの応募が可能となっています。
ジンガーではこんな人材を募集している
そこでジンガーの募集する人材について、「製造と品質」というくくりだと、ボディ・テクニシャン、インテリア・テクニシャン、アッセンブリー・テクニシャン、プロダクション・コーディネーター、プロダクション・スーパーバイザー、クオリティ・エンジニアなど。
それぞれの項目については「求める人物像」が記載されており、たとえばボディ・テクニシャンだと「ボディパネルの製造や調整、シャシーの修復を完璧にできること。カーボンファイバーやグラスファイバーなど複合材の経験が必要で、非常に高いレベルが要求されます。マルチタスクをこなすことができ、仕事が早く、何より完璧を追求する姿勢を持っていなくてはなりません。私達はチームワークを重視しており、高いコミュニケーション能力を持ち、指示に従い仕事ができる人物を求めています。そしてこの仕事においては、ボディ製作の”最初から最後まで”正確に進め、業務の記録、説明責任を果たすことも求められています」。
細かい条件だと「3年以上のボディ修復業務経験」「レストア業務経験があればなお良し」「複合素材の知識」「自身のアイデアを明確に述べ、他人の考えやアイデアを理解できるコミュニケーション能力、会話とライティング能力」「週40時間働くことができ、残業もいとわない人」「労働環境を清潔に保つことができ、整理整頓できる人」「適切にエラーを修正できる能力を持っている人」「高卒、もしくはそれと同等」「マイクロソフト・オフィスが扱える人」という記載があり、担当する業務だと「ボディの隙間や段差の修正」「シャシーのパネル修正や調整」「コンポジットパネルの接着」等。
ざっと見る限りでは「コミュニケーション能力の高い職人」を求めているようですが、要求される職人スキルはかなり高いということになりそう。
ただ、フェラーリやランボルギーニ、ポルシェのように「学歴」「多言語」といった、(一般的な範囲より)高い学力を求めているわけではなく、そこはまだ安心して応募できそうでもありますね。
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ジンガーではこんなこだわりを見せている
なお、ジンガーの車両は「こだわりの集合体」とも言えるもので、多種多様な素材を様々な方法で加工し、自動車というよりは芸術品を作ってゆくというイメージ。
たとえばファンネルだとこう。
このひとつひとつがオブジェとして機能しそうです。
シフトレバーだとこう。
ウッドを積層し、シフトパターンを彫り、そこへ塗料を流し込んでいます。
ドアミラーはアルミの削り出しにポリッシュ、そしてアノダイズド加工という複数工程を経ることに。
フロントトランク内にまでダイヤモンドステッチ入りのレザーマットが用いられ、ストラットの各パーツを見ても、ひとつひとつのパーツの精度がとんでもなく高いことがわかりますね。
インテリアはレザー、そして布など様々な素材を使用。
メーターだと文字盤はもちろん、「針」までもカスタム。
ランプ類は近代風の要素を取り入れ。
ベゼルは金属製ですが、「マットチタン加工」など、ひと手間多く、かつ一味違うフィニッシュが用いられています。
ジンガーが送り出す車両は、のちのモデルになればなるほど仕上げやデザインが複雑化されており「たゆまぬ進歩」を続けていることがわかりますが、そういった意味でも「アイデアマン」が求められているのでしょうね。
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