| ポルシェ・マカンSの実力は思ったよりもずっと高かった |
こういった「クルマの限界」を知る機会はなかなかない
さて、先日はランボルギーニ大阪/神戸さん主催のジムカーナ試乗イベントに参加させていただいたという記事をアップしましたが、今回はその中でも(自分の)ポルシェ・マカンSにて走った際の様子について触れてみたいと思います。
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イベントごとに参加車種のレギュレーションが変化
「ランボルギーニのイベントにポルシェで参加してもいいの?」と思われるかもしれませんが、ランボルギーニのイベントはその性格によって参加車種の制限が変化することになり、「ツーリング」だとランボルギーニオンリー、サーキット走行イベントだと「ランボルギーニと同程度のパフォーマンスを持つクルマ」であればOKな場合があり、そして今回のような試乗イベントであればかなり参加車種制限が緩和されることに(自車で走行しない試乗イベントであれば、参加車種はなんでも構わないと思われる)。
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ただし車種とは別にオーナーさんの制限はあり、今回だと「フェラーリやマクラーレン、アストンマーティン、ベントレー等の高級車やプレミアムカーメーカーのオーナー」というくくりが設けられている模様。
今回のイベントはランボルギーニ大阪/神戸さんの主催ですが、ほかのディーラーグループの場合、「メルセデス・ベンツだとAMGのみ、ポルシェだとGT系のオーナーのみ」といった制限を課す場合もあるようですね。
今回の趣旨は「乗り比べ」
今回の「ランボルギーニ・ジムカーナ・テストドライブ・エクスペリエンス」の趣旨は「ランボルギーニの購入を検討している人を対象に、今自分乗っているクルマと、ランボルギーニとの性能差を体感し、ランボルギーニの素晴らしさを知ってもらう」というもので、よってランボルギーニ各モデルと比肩しうるパフォーマンスを持つクルマのオーナーの参加を募ったということになります。
そして今回、ありがたくこのイベントに呼んでいただき参加させていただけることとなったわけですが、流れとしてはまず自分のマカンでジムカーナコースを走り、その後ランボルギーニに乗り換えて同じコースを走ります。
実際にマカンでジムカーナを走ってみたらこんな感じ
そして各車にゼッケンをつけ、まずは自分のクルマでコースイン。
スポーツモードに入れ、サスペンションは2段階硬い「スポーツ+」へ。
まずは全日本ジムカーナ選手権チャンピオン、久保真吾選手の乗るウラカンEVOに続き、コースを覚えるために隊列を組んでコースへと入ります。
その後は単独でもう一周走ってコースを覚えます。
その後はいよいよタイムアタック開始。
当日、走行に関する指示はすべてFMラジオ経由にて行われ、よって指定したチャンネルに合わせておくと様々な案内をキャッチすることができ、さらに久保選手の実況中継を聴くことも可能(同じ内容は会場に設置されたスピーカーからも流れる)。
インターバルには久保選手から直接アドバイスを伺うこともでき、さらには久保選手の運転するクルマに同乗してその技術を体験することもできるというありがたいイベントとなっています。
実際にポルシェ・マカンS走ってみた印象では、どんな無理難題をクルマに押し付けたとしても「難なくこなしてしまう」という印象もあり、ある意味ではポルシェのスポーツカーレンジよりもコントローラブル。
もちろん操る楽しみという点ではスポーツカーレンジに適うべくもありませんが、「誰もが安全に、安心して速く走れる」クルマであるのは間違いなさそうです(そして実際に事故率も低いと見え、ボクスターやケイマンより保険料が安い)。
正直、マカンの実力を侮っていた
なお、ぼくはこれまでポルシェのスポーツモデル(911、ボクスター、ケイマン)を乗り継いだということもあってマカンの実力を見誤っており、それは「重心が高かったり、車体重量が重いSUVだから」。
つまりマカンは同じポルシェのエンブレムを装着していたとしても、911やボクスター、ケイマンとは別の性格を持つと考えていたわけですね。
ただ、実際にこうやってジムカーナを走ってみると、加速はもちろんそこからのブレーキング、極限下にあってのステアリング操作に対する応答性など、マカンSは「紛れもないポルシェ」。
想像していたよりも遥かにその限界が高いところにあり、高い安定性を持っているということが体感でき、「ごめんよマカン」といった感じで反省していています。
ちなみにマカンは「アウディQ5と同じ車体を使用し、パワートレインも共通」(マカンSはフェイスリフトによってアウディ色がさらに強くなった)。
ただしその味付けは大きく異なり、アウディは「低回転重視で街乗り志向」、ポルシェは「より高回転型で機敏な動きを重視」しているように思います。
実際に同じエンジンを積む両者を乗り比べると、圧倒的にアウディのほうが「シフトアップや巡航時の回転数が低く」、そしてアクセルオフ時にもすぐクラッチが切り離され、さらにエンジン回転数が下がることに(同じコースティングでも、ポルシェとはだいぶ味付けが違う)。
つまりポルシェの設定は「いかなる時にもパワーバンドを外さず、すぐさま加速に移す」ことを考慮しているのだと思われますが、パワートレイン同様にサスペンション、ステアリングについても「臨戦態勢」なるようですね。
加えて、ポルシェ・マカンSをプッシュしたときにどういった挙動を示すのか、何ができて何ができないのかということもおぼろげながらもわかってきたような気がしていて「限界(の片鱗のようなもの)を知ることができた」のは今後の安全運転にも役立ちそう。
いままでぼくは、こういったことに気づかず、マカンSをSUVとして扱ってきましたが、これからは「ポルシェ」として扱おうと思います。
加えて、この機会に招いていただいたランボルギーニ大阪/神戸さんには感謝です。